2009年12月28日月曜日
朝
今年もあと3日になりました。
厳しい経済環境の中、来年もさらに厳しい状況を示唆される方も多い中、
時代は一年一年歴史を重ねていきます。
新社長が就任して二年
でも、四年も五年も経っているように感じます。
厳しい経済環境は、どの業界にも広がりました。
厳しい経済環境は、紛れも無くユニフオーム業界を揺さぶります。
中国工場の閉鎖、新工場の立ち上げ、
ネット販売の模索、
新ブランドの立ち上げ、
お客様の視線に立ってあらゆる物の見直しが始まりました。
生かすもの、捨てる物、
時代はたくさんの教科書を用意してくれました。
朝、目が覚めたとき今日は何が変っているのだろう。
新しい年、目指す先は何処でしょう。
感動と共に、企業の朝は目覚めます。
2009年12月22日火曜日
今年の漢字
今年の世相を表すひと文字は「新」だそうです。
政権が交代し、新しい取り組みが次々に行われました。
人々の期待も、「新」という言葉の中に秘められているのでしょうか。
変って欲しい、変らなければ、一人ひとり今の時代を生きていく為に、
自ら変らなければ・・・。
それは、「変」ではなく 「新」である所に、時代の背景があるように感じました。
ある人のお話の中に
「新」という漢字は 木が立っていると書く、そこに斧を振る
伐った株は真新しい、
斧を振るには、勇気と決断が必要だ・・・と。
人からの受け売りではなく、自ら考え決断する時
孤独に耐え決断する時、
そこには新しい芽が、芽吹いているのでしょうか。
重ねた年輪の深さではなく、
重ねた経験の深さではなく
重ねた思いの深さでしょうか。
「新」
今年も後半月、重ねた思いは、新しい年につながっていって
欲しいと思うのです。
2009年12月14日月曜日
アンパン
久々に姉妹4人が集まりました。
小さなテーブルをはさんで、大きな声でしゃべるのはいつも妹。
妹は姪の子育ての様子を、お嫁さんに話してくれました。
昨年のクリスマス、4歳の孫はおばあちゃんにおねだりしました。
「おばあちゃん、僕はクリスマスのプレゼントにトラックのおもちゃが欲しいです。」
いつも形の出来上がっているおもちゃには否定的な姪夫婦、
おばあちゃんは答えました。
「お父さんに聞いてごらん。
お父さんの、お許しが出たら買ってあげるからね」
「お父さん、おばあちゃんにトラックを買ってもらってもいいですか」
「それなら、二番目に欲しい物を買ってもらいなさい」
4歳の孫はおばあちゃんに伝えました。
「エーと、エーと二番目に欲しい物は、・・・・。エーと・・・・アンパン
おばあちゃん、前に買ってもらった あのアンパンを買ってください。」
2009年12月7日月曜日
優しい目
「この吊り上った目が、小さい頃からいやでたまりませんでした。
優しい目の人を見ると、どうしたらそんな表情が出来るのかしらと思います」。
髪のことなら安心してお任せできる、アネゴ肌のKさんから、一ヶ月前に聞いた言葉です。
「人の表情って鼻を中心に左右で表情が違うんだって
笑っている写真でも、右は笑っているのに左は笑っていない、
そんな時は心から笑っていないんだって」
「人の心の表情は、左側に出るんだそうですよ」
娘に聞いた話、毎朝している笑顔チェックの話をしました。
一ヶ月ぶりに座ったシックなソフア。
鏡の中のkさんの、吊り上った目がありません。
なんだかほっそりして、優しいお姉さん。
「左の口元をきゅっと上げ、左で笑っているイメージをつくるんです。
そしたらね、明るい気持ちになって自然に表情が変ってくるんです。不思議ですね
最初はぴくぴく痙攣するようでぎこちなかった表情が、いつの間にか自然になりました。
そしたらね、おまけが付いてきたんです。
ストレスがたまって毎晩食べていた甘いお菓子も、食べなくなりました。」
お客様から「変ったね」って言われるのが、とても嬉しい。
明るい笑顔で微笑むkさん。
左の目元が、笑っていました。
2009年11月30日月曜日
ひだまり
駐車場の側に小さなお家があります。
玄関の前に椅子がおいてありました。
今日は暖かい一日。
椅子に座って遠くを見つめているおじいさん。
どこを見つめておられるのか、何を見ておられるのか。
その目は一点を見つめたままで動きません。
ドアを閉める音にも無反応です。
人は皆老いていきます。
歩んできた人生を、振り返っておられるのでしょうか。
人は人とのつながりの中で、支えあいつながりあい喜びが生まれます。
でも、苦しみも悲しみもまた、人とのつながりの中で生まれます。
一人ひとり精一杯生きている中で、
気がつかないで傷つけている心があるかもしれません。
気がつかないで通り過ぎている心があるかもしれません。
遠くを見つめているおじいさん。
ひだまりは、おじいさんを暖かく包んでいました。
2009年11月23日月曜日
お葬式
11月17日、読売新聞に「長寿革命」、死生観という見出しで変わりつつある「葬送」に
ついてとりあげられていました。
写真はライトアップされた樹木墓地の慰霊祭の様子が写し出されていました。
樹木葬や手元供養、他の人と一緒の永代供養墓も急増しているそうです。
そして、遺族との孤立化も指摘されていました。
東京都内では5人に一人以上が葬儀をしない直葬を選ばれているそうです。
「生命観や精神性、家族制度など、私達がよって立つべき「型」が見えなくなってきた。
長寿の時代、新たな価値観や可能性を探り、豊かさの意味を問い直す事が求められる」
と結ばれていました。
昨日、主人のお友達のお母さんがなくなられました。
81才でした。しっかりした気丈なお母さんだったと聞きました。
主人から聞いた生前のお姿、お葬式の様子
そんな会話の中で、私達は知らない間に心の中でなくなった方とのお別れをしているのです。
なくなられた方とのお別れ、それはまた生きておられた証です。
一人ひとりその環境も、考え方も様々です。
でも、多くの人達とのかかわりの中ではぐくんできた人生、
お葬式は、そんな皆様にお礼を言える最後の場所だと思うのです。
2009年11月16日月曜日
お客様
工場の中はいつにもましてにぎやかです。
なにやらわからない言葉で いっぱい喋っているのは
新しく立ち上がる工場、中国の福州工場の総経理と工場の責任者です。
出来上がったサンプルを見ながら
縫製の考え方、縫いの基本
サンプルの注意点を伝えました。
小さなサシを持ち2mmの違いを伝えます。
角は角に、丸は丸に縫ってください。
総経理は私の言葉を中国語に直して伝えます。
xxxxxxxx xxxxx xxxxxxxxxxx xxxx xxxx
なにやら話が込み合っています
総経理は、倉庫から商品を持ってきてたずねます。
「この商品はここが少し丸くなっています。これでいいですか。」
「・・・・・」
答えられない私に総経理は続けます。
「この商品と同じであればいいのですね」
総経理は日本の大学を出て、その語学力は抜群です。
確かにそこは気がつかないでいたパターンのミスでした。
工場も気がつかないまま縫っていたのです。
縫製工場の経験が無い社長に専務、中国工場の総経理
経験がない分、理解しようと必死です。
学ぼうと必死です。
若い力は過去のミスを浮き彫りにしました。
明日を見つめる若い力は冬の寒さをうけながら
しっかりとその力を蓄えているのです。
やがて来る春の息吹を感じるのです。
2009年11月9日月曜日
小さな笑顔
眠い目をこすりながら、ニコッと笑います。
見つけた興味に向かって、ひじに力を入れ体を傾け足をけって進みます。
時々、足より手の動きが遅れてひっくり返ります。
それでも頭を上げて前に進みます。
興味は次々代わります。
小さなボタン、
おじいちゃんの着ているジャケットのフアスナー
くるくる回る留め金がお気に入りの様子
お母さんの両腕に抱きかかえられた小さな命は、やがてすやすや眠ります。
先におばあちゃんになった妹がしみじみ語ります。
子供が出来たら親の気持ちがわかると言うけどあれは違っていたね。
わが子は育てるのに必死だった。
親の気持ちなんて考える余裕が無かった。
でも、孫が出来初めて親の気持ちがわかった気がする。
はぐくんだ命、つながっていく命、つなげていく命
大宇宙、自然に存在するものはすべて螺旋だそうです。
水の流れも、貝やタニシの模様も螺旋です。
不思議です。
でも、それはつなっがっている
終わりの無い事を意味しているのかなと思うのです。
2009年11月2日月曜日
たすけあい
日曜日の朝、いつもテレビの前に座っている主人は地元出身のk議員さんの
お話を聞きに行きました。
そんな主人に代わって座ってテレビを見ているのは私です。
自然豊かなその村はドイツのジャガイモを作られている農家です。
採りたてのジャガイモは皮付きのままでゆがきます。
ゆがいた芋は皮をむきスライス、ゆでた卵にピクルスを加えヨーグルトマヨネーズを
まぜてポテトサラダが出来上がりました。
近所の人達や、親戚の人達を招いてパーティです。
楽器に合わせて歌ったり踊ったり、お皿に乗ったご馳走は大きなウインナーと
作りたてのポテトサラダだけでした。
農家の人達が集まってジャガイモの収穫を祝うピクニック
お皿の上に載っているのは、ベーコンとたまねぎを炒め、スライスされたジャガイモを
卵でとじた浅葱の緑が鮮やかなお焼きです。
少ないメニューにいっぱい広がるのは人々の笑顔です。
幼い頃、
いろりを囲んで食べていた夕食は野菜が一杯入ったお汁に暖かいご飯でした。
k議員さんのお話を聞いてかえった主人、
「これから時代がおおきく変わっていくそうだよ。
日本だけではない、アメリカもヨーロッパも世界が変わっていくよ。
力を誇示しあっていく時代は終わり、お互いを支えあっていく時代になるよ。
昔、お互いがたすけあってきた時代だよ。」
2009年10月26日月曜日
人参
芽を出してまもない人参の葉っぱを抜きました。
ほんのり赤く染まった根っこは人参の香りと一緒にまぎれもなく人参です。
狭まりあったかぶらも、まぶいてやりました。
根っこは小さくふくらんで何処から見てもかぶらです。
自然って不思議です。
人参は人参に、かぶらはかぶらに育ちます。
種をまく前から決まっています。
そして、人参は人参として、かぶらはかぶらとして命をつなげていくのです。
人もまた人として生まれています。
人が人として生きるとは何なのでしょう。
それは自然界の中で人間だけが許された「立つ」事だとある本に載っていました。
人間は立つために生まれてきた。
そこに人としての使命があると書かれていました。
立つとは 「上に向かって立ち上がっていく」 ということ
自然体で立つという事。
そりあがった時、人は傲慢になります。
自分以外の存在に気づき、自分が生かされ守られていることに気づく事。
そして、何よりも無力である自分を知ることにあると・・・。
2009年10月19日月曜日
見るべき所
ユニフオーム業界、昨年秋から売上が急激に落ち込んできました。
当社のネットにもそんな業界の様子が事細かく書いてあります。
自動車、電子、など製造業の落ち込み、はてには八ッ場ダムの建設中止問題など
ユニフオームが伸びていく要因は何一つありません。
売上が落ちていく中、在庫を抱えた企業は人員削減、工場閉鎖など
売上に似合った体質に工場再編していきます。
リミットも中国の工場から引き上げました。
生産は国内のみで小回り生産、
仕入れが減少、在庫が圧縮され資金繰りは楽になりました。
でもやがて在庫が減少、仕入れがはじまり工場が稼動しだしたとき売上は
どうなっているのでしょう。
21世紀は心の時代と言われています。
40年、働く女性を見つめ続けてまいりました。
どんなに時代が変わっても人々が求めたもの、それはやはり心の豊かさだったと思うのです。
そして今、人々が求めている物も同じ豊かさではないでしょうか。
経済が登りに向いている時、下降に向いている時の違いはあるかもしれません。
でも、どんな時代も人々の思いはひとつのように思うのです。
何か特別な物が存在する訳ではありません。
当たり前の事を、こつこつ積み上げていく事こそがどんな時代も大切なのではないでしょうか。
もし特別に思うなら、今まで見るべき所が見えていなかったのかもしれません。
2009年10月13日火曜日
大根
爽やかな秋の風に赤とんぼが戯れています。
鐘楼バッタは大きく折り曲げた後ろ足で遠くの草原に跳んでいきました。
青い空をバックに畑では冬の野菜たちが一斉に芽を出しています。
大根、人参ほうれん草、レタスにキャベツ白菜と畑では緑のラインが
追いかけっこしています。
今日は大根の葉っぱの間引き作業です。
「少し間が開くように間引きしておくれ、また二週間ぐらいしたらもう一回間引きするから」
農園主の主人は、忙しそうに長ネギの苗を植えながら指図します。
「もう一回間引きするのなら、はじめからもっと間隔をあけておけば一回で澄むんじゃない」
「いいや本にそうしなさいと書いてある。」
「・・・。」
四葉の葉っぱを抜きながら主人の言葉を思い出しました。
「小松菜はゆがいて胡麻和えにすると美味しいんだって・・
もう少し大きくなったら油揚げと一緒に油いためにしてもいいそうだよ。」
大根の成長に似合った間引きを繰り返す事で、合理的ではないけれど物を無駄にしない。
一見面倒に思えるその作業を
昔から当たり前のように行なわれてきたその仕事を
私達はエコとよぶのでしょうか。
2009年10月5日月曜日
福山城
静かな朝です。
久しぶりに福山城に行きました。
そびえる天守閣、周りには松ノ木、桜の木たくさんの木々たちが形をそろえて立っています。
大地に根を張り空を仰ぎ天に向かって高く高く伸びています。
一本一本くるうことなく伸びているのです。
天守閣につながるこの道を、今日までどんな人が通ったでしょう。
時代が通り過ぎていく中で、そびえる木々たちは何を見何を感じたでしょう。
静かに目を閉じ木と一体になってみました。
しっかりと大地に根を張り空を仰ぎ、さらに高く伸びようとする天に届こうとする
宇宙につながろうとする、でも静かに静かに立っている木々たちです。
人は何故苦しむのでしょう。
人は何故悩むのでしょう。
過去の自分を変えることは出来ません。
過去の過ちを消す事は出来ません。
うれしかった事より楽しかった事よりなお深く心に残るのは苦しみや悲しみです。
木はそれでも静かに立っています。
木はそれでも天に向かって伸びているのです。
明日に向かって伸びているのです。
ただただ、今日よりも明日へと伸びているのです。
2009年9月28日月曜日
政権交代
連日のように報道される鳩山首相のG20サミットでの声明
日本国としての首相の思いを伝えました。
国内では、群馬県の八ツ場ダムの建築中止の問題
沖縄では、米軍基地移転の問題
鳩山首相不在の中、それぞれの大臣が現地を視察されている様子を
テレビは報道していました。
それぞれの大臣が、自身の言葉で自分の思いを語っています。
「鳩山首相は、本当の首相としての働きをしているな。
自分のすべき事は何かがわかっている。
だから、大臣は大臣の仕事に専念できる。
大臣自から現地に赴き、実際の現場を見て住民の意見を聞く。
それでええんよ。それでええんよ」
いつもの主人のぼやきも少し変わって来ました。
私にはわかりにくかった政治の問題。
でも、最近わかりやすくなったと思うのは、政治に関心を持ち始めたからでしょうか
それは、私達が疑問に思う事が正しく報道されだしたからのように思うのです。
八ツ場ダムの建築中止の問題も継続して欲しい人の声、中止に賛成する人の声
それぞれの思いがわかりやすく報道されています。
政権交代は、自民党から民主党に大きく変化しました。
言葉に出す事はそこに責任が大きくのしかかります。
何もいわなければ責任もかからないでしょう。
指摘される事もないでしょう。
でも、言葉に出すから行動も変わるのです。
出した言葉に責任を持とうとするのです。
言葉は明日の自分を変えてくれるのです。
2009年9月21日月曜日
ペットショップ
ワンワン
甘えた声で出迎えてくれたのは、尻尾と頭をピンクに染めたペットショップのモデル犬です。
二度目の取材をお願いしたペットショップは
「着てみてくださいました」シリーズの総集編。
新しいターゲットに、b×cユニフオームを着てみていただこう
着て頂いた生の声をお客様に届けよう!
そんな企画がスタートして、半年が過ぎました。
高齢化社会、ますますペットブームは広がって
トリマーは動物好きの若い人たちに人気の職業。
6月の水曜日
はつらつとした若いトリマーさん達は、朝から忙しく働いておられました。
「ポロシャツはちょっと暑くてエプロンも毛がついて困りました。」
盛夏、ペット達のシャンプーやドライヤーかけに忙しいスタッフの皆さんの生の声。
「今まで着ていたエプロンは毛がつきにくくてとても良いですよ。」
お尻まで隠してくれるエプロンはポケットもいっぱい付いて 「便利でかわいい」
当然、保湿効果のあるポロシャツも喜んでいただけると思い込んでいた私です。
改めてサンプルでご提案した毛のつきにくいチェックのエプロン。
ポロシャツも、「気候もよくなり、とても着易く重宝しています。」
社長さんの声に勇気付けられた私です。
2009年9月14日月曜日
アルバム
押入れの整理をしました。
間口を塞いでいた古いゴルフ道具を取り除くと長い間日の目を見なかったのは
なつかしいアルバムたちです。
緑の畑を背に苦虫をかんだ母の横で笑顔を振りまいているのは私達姉妹です。
母の写真はどれも苦虫
笑っている写真がありません。
浅黒く日焼けした肌に刻まれた太いしわ、
落ち込んだ目の下にさらに小さなしわがいっぱいです。
お母さん、
なぜあの時わからなかったのでしょう。
なぜあの時知ろうとしなかったのでしょう。
貧しさの中にどんなに子供達の幸せを願った事でしょう。
どんなに家族の幸せを願った事でしょう。
「何か欲しいものある。どこか行きたい所がある」
病床の母に伝えた妹の声に
「何も欲しいものは無いよ。いろいろな所にお父さんと行ってとても幸せだったよ」
最後に残した母の言葉を思い出すのです。
2009年9月7日月曜日
朝日
東の空に、お日様が顔を出しました。
朝六時、眠い目をこすりながらお布団をたたみます。
一番にする仕事は会社のシャッターを開けること。
土間に水をまき、端から丁寧に掃いていきます。
清められた土間で
「おはようございます。いらっしゃいませ。」
「誰もいなくても大きな声で言いなさい。
やがて人が集まってくる会社になるから・・。」
中学校を卒業して働きながら高校に通っていた私達に
会長は夢を語ります。
「いつかきっと、自分のブランドを持ったメーカーになるよ。」
病気と闘いながら工面された給料に
会長は抱えきれない夢を渡して下さるのです。
今朝も、東の空を照らしながら朝日が昇っていきます。
あの頃と同じ朝日です。
2009年8月31日月曜日
選挙
「政治家も役所も人数が多すぎるんよ。
衆議院も参議院も、地方議員も・・・。
少なかったら皆が必死で仕事をするよ。
地方議員も、自分の出た地区だけの事を考えていたのでは選ばれない。
本当に必要な所から、予算を取ろうとするよ。
真剣勝負だよ。皆真剣勝負だよ」
いつものように、新聞を読みながら政治の話、経済の話、最後は我が家の事に
主人のぼやきは夜遅くまで続きます。
昨日は時代を大きく変えて欲しい衆議院の総選挙
新しい党も加わって
最終的に政権交代の結果になりました。
経済の問題、
子育ての問題、
老人福祉、
環境問題、
あらゆる問題が山積みです。
でも、私達はどっちを向いていこうとしているのか。
10年後、20年後、100年後にはどのようにしたいのか。
だから今、何をしようとしているのか。
そんな指導者を皆が待っているのです。
苦しい、厳しい、誰もがわかっています。
でも、今このままではいけない、少しでも矛先を替え新しい時代を創って行きたい。
小さな企業も、必死で明日の行くべき道を決断しようとしているのです。
2009年8月24日月曜日
お花屋さん
広島に着きました。
「近くにお花屋さんはありませんか」
バスを降り探したお花屋さんは、こげ茶のエプロンがよく似合う
コーヒーショップの横のエスカレーターを降りた所にありました。
透明なドアを開けると、緑の木々が私たちを迎えてくれました。
人が行き交うビルの中、小さなお花畑がその一角をおおっています。
白い菊の花の中をぬけると、色とりどりのバラ達がお花の階段を作っています。
赤い花はフリージア、マーガレットのやさしいピンク、
そして娘の大好きな黄色い花のガーベラは頭をそろえて並んでいます。
「かわいい黄色の花束を・・」
白いブラウスに、黒いエプロン、笑顔のおねえさんにお願いしました。
「有難うございました」
メッセージカードをつけて受け取った花束。
透明なシートの間から顔をのぞかせた花達は競って天を仰ぎます。
出口を見失った私達に階段を上って見送ってくださった店員さん。
黄色い花束の中で娘の笑顔が
いただいたやさしさと一緒に輝いていました。
2009年8月17日月曜日
お好み焼き屋さん
お好み焼きを食べに行きました。
夕方六時、駐車場はもういっぱいです。
戸口には何組かの人がいすに座って順番を待っています。
「今日も多いね。」
どんなにお客さんが混んでいても必ず座るのはカウンター
熱々のお好み焼きをヘラできって食べる、ちょっとツーぽく主人は気取ります。
「肉玉、そば入り、生ビールね」「それから、ホルモン」
まだ十代かなと思える幼顔のお兄ちゃん、お玉にすくった生地を小さく落とし背中で
うすーく平らに伸ばします。
おっ上手になったね。失敗がなくなったじゃん、小さな拍手を送ります。
鉢巻をした大将はキャベツを山に載せお肉をその上に広げます。
「はい、〇〇ちゃんビール生用意して、ホルモン一緒にね」
手と口が同時に動きます。決して怒り声ではありません。
大勢のスタップが大将の声に流れていきます。
その流れは急ぎ足でもなく、声高でもなく、ゆっくり いえいえゆっくりではありません
欲しいときに欲しいものが流れになって動いていくのです。
じっくり丁寧に焼き上げたそばの上に逆さになったキャベツが乗ります。
割られた卵は押しつぶされ、そばとキャベツを乗せられてさらに押しつぶされます。
ソースをかぶり、のりをまかれ、次々に送り出されるお好み焼き。
鉄板の上にはリズムに合わせて踊る、踊り子がいるようです。
大将の声がやさしい音色に聞こえます。
「ご馳走様」「ヘイ、有難う」
のれんをくぐりながら、また来ようと思うのです。
2009年8月10日月曜日
美容院
「そろそろ限界ね」そんな言葉に後押しされて三ヶ月ぶりに美容院に行きました。
よく磨かれたショウウインドウ、奇抜な印象のオブジェ、黒いソフア
セレブな印象のそのお店は、過去何回か前を素通りさせたお店です。
やっと透明なドアを開けたのが三ヶ月前
「今回は髪が短いので後ろ髪が中心で分かれてしまいます。
次にこられたときには少し長くなっているので後ろの分け目が出ないようにカットしますね」
おまけにハンドマッサージまでしてくださり皇女のような気分で見送っていただきました。
「今日はどうなさいますか?」
「カットとパーマをお願いします」
足を投げ出してソフアに座ると「少し後ろに倒れますよ」
優しい声と一緒に、指先はこめかみから額へと強弱をつけながら頭全体を
マッサージしていきます。
「今日は髪の長さはどうされますか」
「夏だから、思い切ってきりましょうね」
「パーマをかけた後でかっとしますからね」
「そうか、そうか、パーマをかけた後でカットするのか」細かい説明にうなずきながら
だんだん髪は変身していきます。
「今回はパーマ液が流れなかったでしょう、ひそかに策を練っていたんですよ」
「エッツ」と私。
「前回のとき、パーマ液が流れていつも困っているってお話されたでしょう」
いつも、美容院で悩まされていたパーマ液、「覚えていてくださったんだ」
「お名前も、どんな薬を使ったか、調合の割合、髪の印象一回でも来てくださった
お客様は必ず覚えています。」
「どうしたら、そんなに覚えておけるのですか」
「美容師という職業が大好きなのです。」
帰り道、見上げた夏の太陽はまばゆいばかりに輝いていました。
2009年8月3日月曜日
隠れ蓑
私たち繊維業界は、その流通経路が複雑です。
アパレルメーカーが生地メーカー、商社から素材を仕入れます。
その前には生地問屋さんもありました。
作られた商品は、小売りへ直接売るだけではなく商社、問屋さんを経由しさらに複数の問屋さんが存在したりするのです。
縫製も複雑です。
アパレルメーカーが別の工場で縫ってもらったり、そのまた先に工場があったり
工場を経由するだけでコストは上乗せされていきました。
複雑な流通は過剰在庫も生みました。
でも、一方で多くの人が携わる事でそこにお金が落ちていきました。
豊かになった人々はまた新たな消費を生みました。
複雑な流通を整理し、一括仕入れをする事でイオンは自社ブランド商品の価格を
メーカー品より五割ダウンすると日経新聞に載っていました。
消費者の節約志向に対応する為だそうです。
吐き出された人達の深刻な社会問題、
私たちが求めた豊かさはこんな豊かさだったのでしょうか。
安売りの先に見えるのはどんな社会なのでしょうか。
お客様に満足していただくために、
お客様に喜んでいただくために、
私たちは、お客様という隠れ蓑を脱ぐときが来たのでしょうか。
2009年7月27日月曜日
ブルへ
泣き虫ブルへ
ブル、
夜が明けたね。
今にも降りだしそうな雲を抱えて夜が明けたよ。
ほら、霧がこんなに立ち込めているよ。
ブル、
散歩に行こうよ。
小鳥が鳴いてるよ。
虫も鳴いてるね。
雨にうたれた葉っぱの中を歩こうよ。
真珠のシャワーで顔を洗おうよ。
君の一生は幸せだったかい。
我が家にもらわれてきてよかったかい。
ブル、
小鳥が鳴いてるよ。
虫も鳴いてるよ。
ほら、高い所で蝉が一斉に鳴きはじめたよ。
ブル・・・今日も一日が始まったよ。
2009年7月20日月曜日
夏祭り
黒く吸い込まれそうな真夜中の空に、緑の葉を大きく広げたイチョウの木が重なり合って下界を見下ろしています。
今日は一年に一度の祇園祭の最終日
喧嘩みこしといわれるスサノオ神社の神事です。
大太鼓の鈍い音に、小太鼓や鐘が軽やかな調子をそろえます。
ちょうちんを持ったはっぴ姿の若衆が先導する中
エイサー、エイサーの掛け声とともに神輿を担いだ若衆がなだれ込みます。
500キロもあるお神輿に体を預けた時、ふと力がぬけるといいます。
担ぐのではなく預けるのだと聞きました。
自然災害や疫病から人々を守り豊かな稔りをあたえてくれるスサノオの命。
人は自然に決して逆らう事はできません。
でも、自然に体をゆだね自然とともに生きてゆく時
稔りの秋が約束されるのです。
おらが、おらがの心は、やがて神輿におし潰されてしまうでしょう。
2009年7月12日日曜日
伝えたい思い
伝えたい思いがあります。
でも、ストレートに伝えたらきっと嫌な気持ちになるでしょう。
でも、言わないと伝わらない。
なぜ、人には言葉があるのでしょう。
言葉はどのようにして出来たのでしょう。
伝えたい思いを伝えるはずの言葉なのに
言葉がじゃまをする事があるのです。
「もっと、違う伝え方があったのでは、言わなくっても良かったのでは・・・。」
もしかしたら邪魔をしているのは「ことば」ではなく弱い心なのかもしれません。
信念のない弱い心はいつも人の思いを気にします。
「ジージー・ジージー」 忙しくなく夏ゼミは思いの限りをお腹を震わせて伝えます。
夏はあっという間に鈴虫の季節を迎えます。
外した時はあっという間に過ぎてしまうのです。
2009年7月6日月曜日
雨の音
ざわめく音を消してください
ひた走る車の音を消してください
電車の音、携帯の音、雑踏の音
作られた音が消えたとき、風の音が聞こえます。
葉っぱのささやきが聞こえます。
歴史をこえた木々の声が聞こえます。
ざわめく音を消してください。
本当のやさしさとは
本当の強さとは
そり落とした中に本物が見えてきます。
2000年の歴史を刻んだ神々の
鎮座するお社で
社長は、雨音の中自分を見つめる心を伝えます。
新時代への、確かな一歩を伝えます。
2009年6月29日月曜日
明日への力
昨秋から、今年、さらに来年へと多方面の方が経済悪化、さらに深刻化する不況を
予測されています。
例年ならこの時期夏物の受注に部署を超えた応援体制が必要でした。
今年は混乱どころか異様な静けさが不安をかりたてます。
目先の不況対策に、奔放する中
20年前受講していたビジネススクールの資料にこんな言葉が書いてありました。
「明日への経営着眼の条件」
現状否定の経営哲学に徹する事
まず経営上のよきアイデアが生まれるもとは徹底的に現状を否定しなければ
なりません。
われわれがこれでよいと思ったら何もよきものは生まれてこない
何でも現状はこれでは駄目だと言う所からよきものが生まれてくる。
このような考え方が身につくと何でも物事を掘り下げて考えるようになる。
そうするとそこから新しいものが、考え方が生まれてくるのです。
明日の経営を考える場合にはすべての基礎を現状否におかなければなりません。
明日の経営のアイデアはそこから生まれてくるのです。
過去明日の日もわからないことが何度もありました。
吐血の中、会長が下した結論は現状否、破壊でした。
でも、それは破壊ではなく実は新しいものを生む力だったと思うのです。
明日を生み出す力だったと思うのです。
2009年6月22日月曜日
大阪
久しぶりに大阪に行きました。
新幹線のホーム、
列車の響き、アナウンスの声、響きあう警笛、あわただしく行きかう人々の靴音は
以前と同じ忙しく流れます。
訪れた素材メーカーの展示会
新しい時代への提案は、暗闇の私の心に元気を与えてくれました。
不況といわれる中、必死で考え模索し、時代が求めるユニフオームの新素材、
今を見つめ明日を追求する心は、後ろ向きになりがちな私の心に活力をあたえてくれました。
そうだった、皆必死で生きようとしている
必死で明日を見つめようとしている
そして、みんな今日も生活している。
幸せを求めて生きているのです。
一年前には、当たり前だと思っていた事が今は当たり前ではなくなりました。
でも新しい当たり前を私たちは模索し始めたのです。
物が溢れ、仮想のお金が宙を舞い、やがて瓦礫の山にたたずむしかなかった私たちは
新しい時代に一歩を踏み出そうとしているのです。
帰りの新幹線、おそい夏の夕暮れ
多かった荒れ地に緑色した野菜をたくさん見つけたのは私の思い過ごしだったでしょうか。
2009年6月13日土曜日
ご案内
ひとつ言葉を選ぶのも、一文字言葉を捜すのも思いを伝える響きは微妙です。
います、なのか
おりますなのか、琴線にふれるかすかな振動は、微妙な響きをのがしません。
私がではなく
あなたが、の心はいつもかすかな振動をゆりおこすのです。
今年もはじまったフユーネラル展示会のご案内
言葉を選び、思いをはせ、一文字、一文字をつなげていきます。
自ら、封入を手がけるチーフの思いは
お一人お一人に語りかけるように、
お一人お一人を包むように
明るい言葉の響きの中に、感謝の思いが注がれます。
今年もより多くの人たちに喜んでいただけますように・・・
より多くの人たちに感謝の思いが伝わりますように・・。
2009年6月6日土曜日
エプロン
会社から帰ったら、まず一番にする事なんですか
会社の皆に聞いてみました。
手を洗う事、
うがいをする事、
私は、まずエプロンをきゅっと締めます。
「さあ、これから我が家の仕事」
エプロンは、会社から我が家への切り返えスイッチ。
嫌な出来事、苦しい思いもエプロンと一緒に切り替わります。
いつも、怒り顔の母が、優しく見えたのは白い割烹着。
エプロンは母のにおいと一緒に幼い頃の思い出を呼び起こします。
どんな服にもぴったり寄り添うエプロンは、代々伝わる我が家の「お仕事着」
いつの日か母が歩んだその道を、そっと寄り添い伝えます。
いいえ、いいえ、そっと寄り添い知るのです。
母が悩んだ日のことを
母が苦しんだ日のことを・・。
2009年6月1日月曜日
インフルエンザ
世界を恐怖に巻き込んだインフルエンザ
一旦落ち着いたとの見解が出されました。
一昨日まで、テレビではマスクをした人たちの姿をカメラが追いかけていました。
空港を出る多くの人たちの顔、マスクマスクで覆われています。
お昼の報道番組、マスクが大量の在庫に
安く売らなければ在庫がはけない。
マスクが間に合わない、欲しくても手に入らない
たった二、三日の事なのにこんなに報道が違ってくるのです。
毎日私達は生活しています。
生活の中に色々な情報が氾濫しています。
情報はまた、新たな生活を生みます。
世界の経済 GM問題 北朝鮮核兵器、さまざまなニュースが私達を混乱させています。
何を信じて生きていけばよいのか
今やらなければならない事は何なのか
一人ひとり生き方は違っても、考え方は違っても
手を合わす心を忘れないでいたいと思うのです。
2009年5月25日月曜日
約束
夕方、家にいた娘から届いていたメール
「○○さんのお祖父ちゃんが亡くなられたそうです。
皆で通夜に行くので7時には帰ってきてください、近所の皆さんからの伝言です」
95歳になられるその方は、いつも背筋をピンと伸ばし長い坂道を歩いて町まで買い物に行かれます。
学校の先生をしておられた○○さんは、お祖父ちゃんと呼ばれるのが嫌いでした。
「私は○○です。貴方のお祖父さんではありません。」
「お父さんは気難しくてごめんなさいね」
いつも、謝られるのは5歳年下の奥様でした。
すでに内内でお葬式を済まされていたご家族は、ニコニコと私達を出迎えてくださいました。
昨年から帰省されていた息子さんご夫婦は、介護の日々を愉快にお話されます。
「食事はいらない」と言って(あかんべー)するんですよ、笑顔でお話される奥様。
こんな約束をしたんです。
「三途の川で待っているからね。」
奥様に残されたメッセージは、死を超えた暖かさが伝わってきます
2009年5月18日月曜日
ブラウス
大好きなブラウスがありました。
そのブラウスはどんな色ともしっくり馴染むベージュ色のスタンドカラーでした。
首周りより少し離れ、衿元は少し上げて立たせた感じのスタンドカラー
気になるあごのラインがすっきり見え大好きなデザインでした。
ネック止まりは、下げすぎると老けて見え ねかせると幼く見えるのです。
スタンドカラーは、その幅が広すぎても狭すぎても顔の印象が変わります。
大好きな2.3cmのスタンドカラーは、薄いベージュのやわらかい生地で
毎日のように着ていたブラウスです。
ニットのベストと組み合わせても、茶色のジャケットと組み合わせてもしっくりなじみます。
みすぼらしくなって泣く泣くさよならしたのは二年前。
さてさて
久しぶりに訪ねた百貨店。
あちらのお店も、こちらのお店も、私の大好きなスタンドカラーがいっぱいです。
選んだのは
胸元にかわいいギャザーを散りばめた綿ローンの柔らかいベージュのワンピース。
ロングのタックスカートに重ねても素敵です。
でもでも、
衿は大好きなスタンドカラーではなくてシャツカラーでした。
一番大好きだったのはスタンドカラーではなくて、ベージュ色だったのかしら・・・。
時々自分がわからなくなります。
2009年5月9日土曜日
35歳
35歳の彼は20年後に55歳、その時日本はどのようになっているか。
そんな番組をテレビで見ました。
子供達が遊んでいた公園には子供達の姿はなく散歩するお年寄りであふれていました。
50歳過ぎても結婚していない子供と同居する夫婦
自活しない大人、お互いを介護しなければならなくなった老夫婦。
医療費の負担は増え消費税も上がりそして、年金が下がり・・。
そんな暗い20年後を迎えない為に今の私達がやらなければならない事を
テレビは共に考えようとしていました。
今不況と言われるのは何に対してなのでしょう。
今の生活に対して
今の何も不自由の無い生活に対してでしょうか。
どんどん印刷されていくお金はやがてその価値を失うでしょう。
物が幸せと感じた時代から、本当の幸せを見つめる時代がやってきたのでしょうか。
皆がうかれた連休は今年が最後、そんな見出しの記事もありました。
何でも揃っているのが当たり前ではない社会。
でも、そこには光り輝く鉱石を探す幸せがある事を
苦労したからこそ味わえる喜びがある事を
誰でも知っているその事に、誰もが分かっているその事に
今、足を踏み出そうとしているのでしょうか。
「輝く未来を作るのは、私達なのです」
そんな声がきこえたような気がしました。
2009年5月2日土曜日
情報
情報の共有
それは決して新しい言葉ではありません。
私達が行動を起こす時そこに必ず情報が発生します。
過去それらは、情報と言う言葉ではなく行動でした。
でもそれを誰かが必要とした時、それは情報になりました。
そして情報が、価値を生む時代になりました。
私達企画は物つくりの中で、お客様のニーズ(顧客情報)を読みとろうとします。
投げたボールの反応で次の時代を探ります。
手探りで小さな分野に的を絞り 誰かが受け止めてくれるのを待ちました。
でも今、投げてもなげても誰も受け止めてくれません。
キャッチャーが構えたミットに入らなかったボールはやがて見えなくなってしまいます。
それは、何回投げても同じです。
でも、システム開発の彼らは企画とは違った視点で情報をみつめます。
お客様センターは一枚の注文書の中にお客様の声を見つめます。
あらゆる角度からお客様の声を読み取るプロジェクトは
はみだしたボールの行き先に新たな情報を探ります。
それは、大きなうねりです。
あらゆる物があふれている中、お客様は行動しています。
少子高齢化の中、お客様は行動しています。
職場を失った人たちが増え続ける中、それでもお客様は行動しています。
どんな時代がやってきても 常に私達は動いているのです。
2009年4月25日土曜日
ミツバチ
今世界で奇妙な現象が起きています。
突如ミツバチがいなくなった、怪奇現象。
ニュースの中、養蜂場のオーナーは答えます。
こんな事は初めて、
いつもの年なら受粉用にミツバチを、果物農家に貸し出しするのに
今年は蜂蜜が例年の半分も採れない。
外国からミツバチを輸入しないといけないけれど、世界でも同じような現象が・・。
その声は弱弱しく聞こえます。
畑の周りをうるさく飛んでいたミツバチ君、
お花の前で羽を小さく震わせながら、黒い塊のようなミツバチ君。
「うるさいな」
手ではねのけていたミツバチ君
そういえば、いつの間にか見かけなくなりました。
春になれば当たり前のように花が咲き、ミツバチや、蝶々が飛び
水をはった田んぼの中には、みずすましにアメンボウ、ひょろひょろと
固まりあったおたまじゃくしの姿がありました。
自然は私達に、多くの恵みを与えてくれていました。
それなのにミツバチの存在すら忘れてしまっていた私です。
この世からミツバチがいなくなったら多くの植物は受粉が出来ないまま
種を残す事が出来ません。
多くの植物が絶滅するかもしれません。
神様、許してください。
それでも、今日もわがままに生きている私です。
2009年4月17日金曜日
商い
桜も散り、野山が緑に色づきはじめました。
町を走る車の音、学校に向かう子供達の声、なにもかもが華やいで感じます。
春、山も川も小鳥達も、皆が動き始める季節です。
3代続いたその会社は、道を挟んでビルが建っていました。
いつもの年なら、ビルの間を行きかう人たちの元気な姿がありました。
いつもの年なら、備後弁のとびかう明るい声が聞こえていました。
春の息吹は、道に迷ったのでしょうか。
沈黙をまもったそのビルは今日もシャッターが上がりません。
「商売はね、安く仕入れて高く売れば儲かるよ」。
絣から一代にして財をきづかれた
初代オーナーからの助言の言葉だと、会長から聞きました。
「お金、ああそれはひき寄せればいいんですよ」
セミナーでお話された、松下幸之助さんの言葉だそうです。
皆が笑って聞いている中、その言葉を聞いて「そうだ」と思われたのが
京セラを創業された稲盛和夫さんだったというお話を聞きました。
松下電器産業も社名が、パナソニックに変わりました。
装いも時代とともに変化してきました、人々の価値観も時代とともに変わります。
でもよくよく見てみると、変化の中に時代がある そんな気がするのです。
2009年4月13日月曜日
お好み焼き
娘の勤めている会社は、ソースを作っている会社です。
久しぶりに帰ってきた娘は会社の事をいろいろ話します。
「会社はソースを売るのが目的ではないんだって」
「エッツ ソースを作っているのに?」
「理念は、お好み焼きを広める事なんだって」
「お好み焼きを広める事で、買ってくださいといわなくても
買ってもらえるようになるんだよ」
明日は研修でお好み焼きを作るからと
二人でネットを見ながら勉強です。
そうか、生地は薄くないと もちもち するね。
キャベツは生地で作ったトンネルで蒸し焼きされるから
やわらかく、キャベツの臭みもとれるんだね。
一つ一つの、工程にノウハウがいっぱいです。
「お母さんもよく、1mmが大切っていうよね。
お好み焼きも、洋服も 表から見ただけではわからないんだね。」
ものつくりの原点は、作る物が違ってもその心は同じです。
2009年4月6日月曜日
桜
村に一本の老いた桜の木がありました。
はるか彼方まで続く緑の山々は、遠くなるほどその緑を濃くします。
春まだ浅い頃、見下ろした田んぼには掘り起こされた土たちがこげ茶色の肌を
むき出しにしています。
冬の訪れが早い村は、何処よりも早く春の息吹を感じるのです。
浅い緑のあぜ道を登ると、そこには古いお堂がありました。
お堂の側の草むらに、半分かれかけた桜の木。
大きな幹に何本もの小枝を重ね、
ピンクの衣は、田舎の空を独り占めしていました。
桜の木は、その年の終わりを、ピンクの花で締めくくります。
遅い春を迎えた年ほど、蓄えられたピンクの樹液が
花びらにより注がれ、いっそうピンクは色濃くなるのです。
村に一本の老いた桜の木がありました。
厳しい季節を乗り越えた桜の花は、いっそう鮮やかに
その年をおわるのです。
2009年3月30日月曜日
流し雛
穏やかな、やさしい風が海をわたってやってきました。
色とりどりの折り紙に、白い紙をしのばせてかわいい目玉を付けました。
優しいお顔のお雛様、船頭さんの持つカイは今にも前に進みそう。
ここは静かな瀬戸内の小さな小さな小島です。
小さな小船に乗せられた12人のお雛様。
大きな波がやってきて、小船と一緒に返ります。
船頭さんの舵取りも大きな波で流れそう。
ひきかえしていくのは何処でしょう。
はるか彼方の沖でしょうか。
それとも海の底でしょうか。
ここは小さな小島です。
誰も知らない、遠い記憶のその中に
帰っていく道をさがします。
明日の夢を託します。
色とりどりの折り紙に、白い紙をしのばせてかわいい目玉を付けました。
優しいお顔のお雛様、船頭さんの持つカイは今にも前に進みそう。
ここは静かな瀬戸内の小さな小さな小島です。
小さな小船に乗せられた12人のお雛様。
大きな波がやってきて、小船と一緒に返ります。
船頭さんの舵取りも大きな波で流れそう。
ひきかえしていくのは何処でしょう。
はるか彼方の沖でしょうか。
それとも海の底でしょうか。
ここは小さな小島です。
誰も知らない、遠い記憶のその中に
帰っていく道をさがします。
明日の夢を託します。

2009年3月23日月曜日
数字
数字は不思議です。
1+1は、必ず2になります。
でも、2 が持っている歴史は計り知れません。
10÷5 かもしれません。
3-1 かもしれません。
いいえ、いいえもっともっと複雑です。
2を、創造する世界は無限です。
そして、
数字には深い深い歴史があります。
苦しかった時代、
喜びの時代、
悲しかった時代
それらを背負った数字は
明日の方向を示してくれます。
明日の生き方を教えてくれます。
数字は時代が示した
明日への入り口 なのです。
2009年3月16日月曜日
ありがとう
ちっちゃな手をきゅっと丸め、ちっちゃな口をクチュクチュ。
大きな瞳は、はるか彼方をみつめ
ほっぺはプルンとやわらかです。
二日間、陣痛と戦ったおかあさん、
やさしく見守っていたおとうさん、
新しい命、おきな産声は、感動とともに、お母さんのお腹から出てきました。
顔を真っ赤にし、ちっちゃな手をにぎりしめ
地の果てまでも届きそうな泣き声は存在の証です。
額にちいちゃなしわ、上目使いで見る先は
とおく広がる宇宙をみつめています。
どこまでも、どこまでも穏やかなねがお。
一つ一つのしぐさが、やさしく愛おしく
かつて父が、
かつて母が、願ったように、
かつて父が
かつて母が祈ったように
ただただ、健やかに、
ただただ、幸せに・・・・・・。
2009年3月9日月曜日
在庫
「コンピューター上では、在庫が1枚あります。もう一度倉庫を探してみてください」
十五年前のある日、受注部門から配送センターへの電話です。
「ありました。」
コンピューターは嘘を言いません。
1+1は、必ず2になる世界。
入力間違いをしない限り、数字が違うはずがない
「人は間違いをするが、機械は絶対に間違わない」 それが会長の持論でした。
まず、私たちはコンピューターが出した答えを信じたのです。
そこから、徹底した確認作業が始まります。
入力ミスはないか、間違い出荷はないか、すべての工程にチェックが入ります。
徹底した在庫管理は、徹底した納期管理の源です。
お客様に、安心して売っていただけるシステムの追求。
「お客様に売るシステムより、お客様に売れるシステムをつくる」
どこまでも、「お客様に喜んでいただきたい」
それは、信念ともいえる会長の強い思いだったのです。
2009年3月2日月曜日
なつかしい人達
なつかしい人達の輪が、畑を囲んで出来ました。
「そろそろ、白菜採らないと小鳥に食べられてしまうよ」
「縫製も大変じゃのう、家ももうプレスはやめよう思うとる」
自転車で通りがかったお父さんは、顔なじみの仕上やさん。
「まあ、畑をしょうるん、私もちっちゃい畑だけどいろいろ植えとるんよ」
「ねぎ、植える、こうして土に埋めておくだけで新しい芽が出てくるから」
笑顔は昔のまま、少し腰が曲がりかかったその人は、ミシンを踏んでくださっていた方でした。
分業化された縫製の町は、一人ひとりがその道のプロでした。
一軒、一軒が小さな会社です。
生地を裁断する家
裁断した生地を運ぶ人、
運ばれてきた生地を、縫い上げてお洋服に仕立てるお家
穴をあけ、釦をつけ少しづつ姿が見えてくると
最後は、仕上げアイロンのプレス加工と呼ばれるお家です。
町は人と人、家と家
つながり、結びつき、分かち合い
分業というシステムは縫製の町を支えていました。
「あったかくなってきたのう」
「そうよ、もう春じゃけえ」
支えあい、結びつき分かち合ってきた人達は、
やがて育つ春の息吹を待っているのです。
2009年2月23日月曜日
受け継がれていくもの
「女子作業服日本一」
創業間もない頃のリミット、壁には墨で書かれた標語が何枚も貼ってありました。
「女子作業服日本一に向かって、頑張ろう!」
毎朝、掛け声とともに仕事が始まりました。
わずか四人、それでも声を張り上げました。
「すべての働く女性の人に喜んで着てもらえる、ユニフォームを作りたい」
夢を語り、誇りを持ってもらえるサロンのような工場ができました。
中国に行き、明日を夢見る思いを告げました。
やがて、時代は過ぎていきました。
100年、200年へとつながる徳のある経営をめざしたい
言葉は変っても、
その思いは、その心は
リミットの歴史と共に、受け継がれていくのです。
2009年2月16日月曜日
ゆるぎない心
企業の最終目的は、利益を出し
そして社会からいただいた利益を
また社会へお返しする事だよ。
循環の中に企業としての真価がある事を
笑顔と感謝の中に
経営の鍵があることを
かつて経営コンサルトの先生の言葉は
おなかにしみ込むように響きました。
より多くの富を得
より多くの人に分配する事
大局をつかみなさい
人の器が、経営の器だよ
不況の中、
今一度かみしめたい言葉があります。
今一度みつめてみたい言葉があります。
「笑顔、感謝、奉仕のこころ」
経営理念に刻まれたこの言葉は
100年、200年、ゆるぎない心です。
2009年2月9日月曜日
かぜ(Ⅱ)
やさしい風がふきました。
新しい風がふきました。
野にも山にも、吹きました。
穏やかな春の息吹と一緒に、新しいやさしい風たちです。
心の目を開け、耳を澄まして聞いてください。
ほら、覆いつくした蜃気楼の中に瓦礫の山が見えるでしょ。
認めたくなかった瓦礫の山は
私達の足元にあるのです。
瓦礫の中から、ささやきあう風たちの声が聞こえます。
瓦礫の中から、響きあう土たちの声が聞こえます。
心の目を開け、耳を澄まし、光に向かって感じるのです。
確かに、確かに、新しい風が
ホラ、ほほをくすぐって通ります。
2009年2月2日月曜日
かぜ
優しいかぜが吹きました。
春の息吹を感じる穏やかな風でした。
畑にも、田んぼにも町にも
同じように吹きました。
北風と一緒にやってきた獣たちは
今は姿が見えません。
嵐とともにやってきた苦しみは
今はどこにも見えません。
優しいかぜが、吹きました。
誰にも気づかれず吹きました。
苦しんだ人だけが
悩みぬいた人だけが
知っている かぜ でした。
2009年1月26日月曜日
嵐
大きな会社もありました。
小さな会社もありました。
皆、
夢を追いかけ、ただひたすら走りました。
大きくなることを目標に
豊かになることを目標に・・・・。
大きな風が、吹きました。
すべての物を巻き込んで
竜巻よりも、台風よりも 大きな大きな嵐です。
それでも、前に前に進みますか。
ただジーと、嵐が過ぎるのを待ちますか。
世間の非難をあびながら
勇気を持って引き返す会社が出てきました。
皆で作った嵐です。
私達が作った嵐です。
自ら動かない限り、誰も止めようがないのです。
2009年1月19日月曜日
ひらめき
毎朝、社長(現会長)の机の上はメモ用紙でいっぱいでした。
寝ている時でも、ふとひらめく、感じる
感じた事を、ひらめいた事をすぐメモにする。
そんな中から生まれた、リミット発信のメッセージ
「繁栄の使者」
「リミットにお任せください」
「リミットカタログ、ただいま到着」
DMなど無い時代、リミットの思い 心をはがきに託して送りました。
ただ素直に思っている事を書きました。
もう一言足せば、もっときれいな言葉になっていたかもしれません。
もう一行増やせば、もう少し説明出来たかもしれません。
そぎ落とし、そぎ落とし最後に残った一言は
心からの叫びです。
心からの思いです。
素直な心謙虚な心は、時代を超え 時を超え
受け継がれていくのです。
2009年1月14日水曜日
展示会
「えー、すごいですね。」
元気な声は、司会をお願いしたEさん。
リフィンでご縁をいただいた、テレビショッピングなどで活躍のタレントさんです。
ここは企画室の一角を白いカーテンで仕切ったミニスタジオ。
一人前に、ライトも照らします。
撮影するのは、システムのKさん。
助監督は、カタログの製作をお願いしたMさん。
そしてにわかタレントは、企画チーフにデザイナーのkさん。
一生懸命作り上げた新商品。
小さなこだわりを大切にし、
一つ一つ妥協しないで作り上げていきました。
企画から生産、お客様センター、システム、
皆の思いをひとつの形につくりあげていきました。
少しでも多くの人に、知ってもらいたい。
一人でも多くの人に、喜んで着ていただきたい。
そんな思いは、展示会へとつながりました。
「ウェブ上で、展示会をしたい」は、やがて
「ウェブで、展示会をするぞ」になりました。
手作りで作り上げた展示会。
さあ、いよいよ今朝デビューです。
2009年1月12日月曜日
早朝会議
朝、4時 「リリリィー」 けたたましく鳴り響くのは目覚まし時計の音です。
今日は月に一度の、早朝会議。
「おはようございます」
薄闇につつまれた12階建てのビルに、一箇所だけ明かりがともります。
5時、集まった役員は、感謝の言葉を朗読した後会議に入ります。
早朝会議がスタートして、20年以上の月日がたちました。
会長は伝えます。
夜考え事をするのはやめよう。
どんなに行き詰ったときも、朝 新鮮な気持ちで見つめなおしてみよう。
きっと昨日とは違った答えが見つかるはず。
暗い中で考えた答えは後ろ向き
朝、太陽と一緒に出した言葉は前向きです。
夜は守りの答えになってしまう、
でも朝は希望の言葉が待っているのです。
会長はつたえます。
こうして乗り越えられた険しい山が、いくつもあった事を。
さあ今朝も早朝会議、
太陽と一緒に、希望の言葉を唱えましょ。
2009年1月5日月曜日
新年
明けましておめでとうございます。
1月5日、新年互例会が創業の地、福山市新市町の研修センターで行われました。
そして、就任して初めての社長の新年の挨拶が始まりました。
100年に一度の大不況、それぞれの部署自分達がやるべき役目が明確に示されました。
他社が苦手とする事をリミットはこつこつ積み上げてまいりました。
もっと、簡単にもっと要領よく積み上げる事も出来たはず、
それでもリミットは不器用に積み上げてまいりました。
それは、お客様に喜んでいただきたいその一点だけでした。
でも、不器用な分一つ一つの石は小さいけれど頑丈です。
「過去自分達が学んできた事を、今こそ花開かせる時なのです。」
社長は淡々と語ります。
「パラダイムシフト、少数精鋭、」
先代より受け継がれてきた創業の精神は、一人ひとり、「限界への挑戦」という
厳しい言葉の中に脈々と流れていました。
日経新聞が天気図で表した各業界の今年の予報は、レジャー産業以外はすべて曇りか雨マーク。
「100年に一度というこの時代に生まれた事を、喜んで挑戦して行きたい。」
昨年末、熱く語った社長の思いを社員は共有しているのです。
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