2009年8月17日月曜日

お好み焼き屋さん


 お好み焼きを食べに行きました。

夕方六時、駐車場はもういっぱいです。
戸口には何組かの人がいすに座って順番を待っています。

「今日も多いね。」

どんなにお客さんが混んでいても必ず座るのはカウンター
熱々のお好み焼きをヘラできって食べる、ちょっとツーぽく主人は気取ります。

「肉玉、そば入り、生ビールね」「それから、ホルモン」

まだ十代かなと思える幼顔のお兄ちゃん、お玉にすくった生地を小さく落とし背中で
うすーく平らに伸ばします。

おっ上手になったね。失敗がなくなったじゃん、小さな拍手を送ります。

鉢巻をした大将はキャベツを山に載せお肉をその上に広げます。

「はい、〇〇ちゃんビール生用意して、ホルモン一緒にね」
手と口が同時に動きます。決して怒り声ではありません。

大勢のスタップが大将の声に流れていきます。
その流れは急ぎ足でもなく、声高でもなく、ゆっくり いえいえゆっくりではありません
欲しいときに欲しいものが流れになって動いていくのです。

じっくり丁寧に焼き上げたそばの上に逆さになったキャベツが乗ります。
割られた卵は押しつぶされ、そばとキャベツを乗せられてさらに押しつぶされます。
ソースをかぶり、のりをまかれ、次々に送り出されるお好み焼き。

鉄板の上にはリズムに合わせて踊る、踊り子がいるようです。
大将の声がやさしい音色に聞こえます。

「ご馳走様」「ヘイ、有難う」

のれんをくぐりながら、また来ようと思うのです。



 

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