2009年8月3日月曜日

隠れ蓑


私たち繊維業界は、その流通経路が複雑です。
アパレルメーカーが生地メーカー、商社から素材を仕入れます。
その前には生地問屋さんもありました。

作られた商品は、小売りへ直接売るだけではなく商社、問屋さんを経由しさらに複数の問屋さんが存在したりするのです。
縫製も複雑です。
アパレルメーカーが別の工場で縫ってもらったり、そのまた先に工場があったり
工場を経由するだけでコストは上乗せされていきました。

複雑な流通は過剰在庫も生みました。

でも、一方で多くの人が携わる事でそこにお金が落ちていきました。
豊かになった人々はまた新たな消費を生みました。

複雑な流通を整理し、一括仕入れをする事でイオンは自社ブランド商品の価格を
メーカー品より五割ダウンすると日経新聞に載っていました。
消費者の節約志向に対応する為だそうです。

吐き出された人達の深刻な社会問題、

私たちが求めた豊かさはこんな豊かさだったのでしょうか。

安売りの先に見えるのはどんな社会なのでしょうか。

お客様に満足していただくために、
お客様に喜んでいただくために、

私たちは、お客様という隠れ蓑を脱ぐときが来たのでしょうか。




2 件のコメント:

  1. 室長様のブログと関係のない書き込みになってしまうかもしれませんが、、、
    私の実家が昔から好意にしていた小さな電気屋さんがありました。
    夫婦で切り盛りし、実によく気のきくお店なんです。
    私の子供の誕生日なんかもしっかりと覚えてくれており、毎年プレゼントをくれていました。
    もちろん冗談なんかも言い合える仲でした。
    ある日お店のおばさんに会ったとき、ため息まじりにこう言われました。
    「ごめんね、子供の誕生日、忘れたわけじゃないんだけど、もうプレゼントをあげることができなくなりそうなんよ」
    私の住む田舎にさえ大型家電量販店の進出により、小さな家電店は大きな余波を受ける状況になってしまったのです。
    私はなんとなくモヤモヤしたものが心内に広がってくるのを感じました。
    確かに購入の際に安さは魅力の要素の一つです。間違いありません。
    しかし、、、
    人の気遣いや、心意気までやりにくくさせる世の中っていったいどうなんでしょうか??
    ただ安ければ、人の気持ちは一切関係ないのでしょうか??
    突き詰める方向に向けては際限なく突き詰め、その他が犠牲になっても構わないという傾向が顕著な世の中のように思います。
    私は無駄遣いしてでも人の気持ちの通った商品を買っていきたい。
    その為に、今の仕事をより、がんばっていくつもりなんです。。。

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  2. leoさんコメント有難うございました。
    そういえば町の電気やさんて便利屋さんのように何でも小さな事まで相談にのって貰っていましたね。なんだか、商売そっちのけにしてスイカを一緒に食べてたり・・・。leoさんのご近所の電気屋さんもそんなお店だったのでしょうか。哲学なんて言葉で飾らなくても、思いやりの心は商売にも通じるのですね。

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