2014年11月25日火曜日
マッサン
毎日、ビデオでまで撮って見ているのは、NHKの朝ドラ
国産ウイスキー作りに生涯をかけたニッカウヰスキーの創業者、
竹鶴政孝 「マッサン」の物語です。
22日の朝、道に迷ったマッサンにお父さんは伝えます。
「逃げるな」
「行き詰ったら、汗をかけ」
不透明な時代、皆が迷いの中にいるのかもしれない
でも、ただ考えているだけでは明日は見えてこない
机の上では見えなかった事が、汗の中にある
そんな現代へのメッセージなのでしょうか。
もろ味を醗酵させる酒作り、かいで混ぜて空気を含ませます。
酵母のぷつぷつと醗酵する音を聞きます。
ミシンの音、アイロンの音、生地の擦る音
製品が生きている証です。
生きている製品達、今日もやさしく包むようにたたみます。
毎日、毎日が、今の積み重ねです。
2014年11月10日月曜日
処方箋
「買い物に寄るからちょっと待っててくれ」
92歳になる父を連れて病院からの帰り道、近くのスーパーに寄りました。
背筋を伸ばし、買い物籠をもって歩く姿はとても九十歳を過ぎているとは思えません。
おまけに混雑している駐車場で、車の誘導までしてくれるのです。
久しぶりにお茶を飲みながら
自分の体は自分がよくわかっているよ と 父。
お腹が痛いとお腹にびわの葉を貼っているのだそうです。
お腹がドボンドボンしてきたら、足の裏に彼岸花の芋を摩り下ろして貼ります。
するとあくる日はお腹の腫れはとれているのです。
上手に病気と同居しながら16年が過ぎようとしています。
病院に行った今日も、これから畑仕事です。
彼岸花の芋には、毒があると聞きます。
びわの葉も、食べれるものではありません。
「でも毒も使い方で薬になるんだよ」
父が育ったのは、山奥の小さな集落
厳しい自然と向き合いながら
長年書きとめた農業日記があるそうです。
厳しい自然を味方にした処方箋です。
2014年11月4日火曜日
ブロック
「おばあちゃん、遊ぼー」
保育所から早めに帰った子供達
お昼ごはんの後かたずけをしていた手を止めて
孫達とブロックごっこです。
「ここは海の基地よ。」 と、お兄ちゃん
「大きな潜水艦がやってきたんよ」。いくつもブロックを重ねた力作です。
「ロボット飛行機です。お花も咲いているよ」。乗り物が大好きな弟です。
二人の会話はつながりません。
それぞれ思い思いの事をしゃべっているのです。
「じゃあ、おばあちゃんは町を作るね。車も走っているよ。」
三人三様の独り舞台、でもどこかで繋がっているのです。
いいえ、四人でした。
おじいちゃんは大声を上げて、大好きなゴルフの観戦です。
気がつくと、お兄ちゃんはおじいちゃんの膝元で眠っていました。
弟は一人芝居に夢中です。
おばあちゃんは、後片付けの続きをはじめました。
そして、おじいちゃんは相変わらず大声で観戦中です。
三人いれば、三通りの答えが
四人いれば四通りの答えが、でもどれが正解かは誰もわかりません。
でもお互いの思いを主張しあった時、そこにあるのは繋がりです。
繋がりは、より高みを目指して登っていくのです
2014年10月27日月曜日
最中
秋晴れの週末、爽やかな秋風に誘われて紅葉を見に行きたくなりました。
でも、運転手さんは不在、今日は絶好のゴルフ日和です。
台所の掃除をしながら、つけっぱなしにしていたテレビから
聞きなれた言葉が入ってきます。
「安芸太田町に、紅葉を見にいこう、」
番組は中国放送、「あっぱれ熟年フアイターズ」、紹介されていたのは、安芸高田郡太田町。
三段峡の豊かな自然と一緒に紹介されていたのは、創業明治43年のお饅頭やさん。
白い鮎の形をした最中が人気だそうです。
アナウンサーさんが、店主に尋ねました。
「大将は、一日もお店を休まれた事がないそうですね。」
「はい、饅頭作りが私の生きる道ですから」
幼い子供達が走り回っているその時も、
背中のランドセルが大きく見えたその時も、側にミシンがありました。
白いタキシードが、まぶしく見えたその時も、
白いドレスが、かすんで見えたその時も、側にミシンがありました。
長年、洋服の始まりを見つめ続けてきたその目は
今、洋服の出来上がりを見届けているのです。
この道しか知らない私です。
2014年10月20日月曜日
お魚屋さん
「お魚屋さんに修行に行きなさい。」
毎朝聞いている松下幸之助語録です。
在庫を抱えた販売部署の責任者に、幸之助は伝えます。
魚は今日売れ残ると、あくる日は半値になってしまう。
今日仕入れたものは、今日売らなくてはいけない。
「魚屋は今日売れるという見通しをちゃんと立てて仕入れているで、
その仕入れのコツを勉強してきなさい」
追いかけっこの生産と販売
バブル崩壊後、長年景気の低迷が続きました。
生産が勝っているときは、在庫をいかに落とすか
無駄な在庫を積まないよう長年、販売を生産が追いかけていたのです。
でも、販売が勝ったときは如何したらよいのでしょう。
生産を販売が追いかけるのでしょうか。
「見通しをちゃんと立ててるで、」
変化の激しい時代
うっかりするとオールは流されてしまいます。
見えない岩が川底を覆っているかもしれません。
「見通しをちゃんと立ててるで、」
より高度な分析力と考え方が必要になってくるのでしょうか。
2014年10月15日水曜日
マル虫
「おばあちゃん、虫さんを捕まえに行こう」
懐中電灯をもって二階から下りてきた孫達。
庭で鳴いているこおろぎを捕まえたいのです。
お兄ちゃんは小さなバッタを捕まえました。
弟は草の根元に隠れているマル虫を捕まえたようです。
手に持ったマル虫、そのまま玄関を上がって行きます。
「ヒロちゃん、だめよ。マル虫さんは土の上が大好きなのよ。
それに、お友達がいないと寂しいよ。」
「じゃーひろちゃん、」
お兄ちゃんの次の言葉を期待していたおばあちゃん、
「もう一匹 捕まえてこよう。」
そうか、そっちに行ったか
「だってほら、いっぱいの足をバタバタさせてねんねしているよ」
仲間をまっているよ、って言う意味でしょうか、意味のわからない弟の反論です。
明日の朝、まあるく固まって動かなくなったマル虫を見て、お兄ちゃんはなんて言うでしょう。
「ヒロちゃん、今度は土も一緒に入れとこう」
おばあちゃんの情報の中から仮説を立て実行した幼子達
そして、結果起きてきた事実から新たな仮説を立てるでしょう。
新たな発想は、沢山の情報の中から生まれます。
でも答えはひとつではありません。
二人いれば二つの答えが、
でも結果を検証し、検討し、積み重ねた仮説は、やがて経験となり哲学になります。
横に広げた答えは、どこまでも広がるばかりです。
2014年10月6日月曜日
思い
赤信号で 何気なく見つめた公園に、若い男の人が一生懸命お話しています。
向き合って、一生懸命頷いているのは、赤ちゃんを抱っこした若いお母さん。
二人は御夫婦のようです。
そこには口から出る言葉はありません。
お父さんは、両手を上下に動かしたり、指を折り曲げたり、大口を開けたり、
パクパクさせたり体中で思いを伝えておられます。
若いお母さんは、じっと見つめながらお話を聞いておられます。
体中でお話を受け止めておられる、そんな風に見えました。
「僕が先に持っていたよ。」
「だってこれは僕の車だもん。父さんにお誕生日に買ってもらったもん。」
泣きながら車の取り合いっこがはじまりました。
いつもなら、お兄ちゃんに譲る弟、でも今日はついに弟の思いが爆発しました。
投げたおもちゃが、お兄ちゃんに当ってしまったのです。
「お兄ちゃんのおもちゃ欲しかったんだね。」 「うん」
「でも、投げたりしてはいけないよ、お兄ちゃんに謝ろう」 「いやっ」
抱っこされて泣きじゃくる弟、それでも一歩も譲りません。
「広ちゃんが投げた。おばあちゃんの意地悪。」
こちらも一歩も譲りません。
体中で思いをぶつけてきます。
弟を抱っこして、お兄ちゃんの背中を撫ぜながら、三人しばらく沈黙が続きました。
「バスですよ、乗ってください。」 車を両手で押しながら小さな声のお兄ちゃん、
「ちびちゃんが、乗るよ。」 涙目の大きな声の弟です。
あの時の、あの言葉はあれで良かったのかしら、
あの時の、あの時の、過去への思いは反省ばかりです。
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