2010年3月8日月曜日
福州2
出迎えたのはお正月気分がぬけきらない数発の花火とイナズマ達
前が見えないほどの横殴りの雨
昼間は晴れていたという報告になんだか不安がひろがります。
お天気がよければ半袖で十分な気候のはずなのに
あくる朝も雨
広い工場の中、窓は全開
半袖を予想しての身支度は寒さで震えそうです。
よくよく見ると石の床は土ぼこりがたまっています
新しく設置したCADの上にもうっすら土ぼこり
「汚れた工場では品質のよいものは出来ません」
一番にしたのは広い工場の床磨き
水で洗ったモップは水が滴り落ちています。
一回ではだめ、もう一回
床を手でこすって、手の先を見てもらいます。
笑顔で指を立てて「もう一回」と答えてくれるジェスチャーに
工場の中は少しづつ活気付いていきました。
毎朝床磨き、仕事が終わったら掃除とミシンの手入れ
それは、ただ製品を汚さないためだけではないのです。
心も一緒に磨くのですよ
そんな言葉の通訳は無い、福州の工場のスタートです。
2010年3月1日月曜日
発想
30年前
雪の後のぬかるんだ泥道を5時間かけてたどり着いたのは
神々が集まる山ぶかい出雲の地
リミットがはじめて造る工場は大豆のにおいが焼きついた
醤油工場の建物を改造して造られていました。
それまで自転車の鉄を握っていた手を
やわらかい布におきかえての工場の創業者。
初めてミシンを扱う人たちにズボンの縫い方を指導します。
一番難しい男性のズボンの後ろについてるピスポケットは
細いループが上下に形よく並ばなくてはいけません。
満足がいかないまま後ろ髪を惹かれる思いで、帰途に着きました。
驚いたのはその一週間後、
二枚に分離されていたはずの生地は、同じ大きさの一枚に集約されていました。
ピスの幅に合わせて二本、平行に縫うはずだった縫い線は
一枚の生地の真ん中に長方形に縫われています。
社長のコメントは
「結果この形になればいいんだろ」
確かに見た目は同じでした。
それからしばらくして売り出された自動で縫えるように開発されたピス縫いミシンは
まさにこの発想だったのです。
曲げることも容易ではなかった鉄、曲げることはかんたんにできてしまう布
簡単にできないから、発想を変えて考えてみる。
さあ、明日から福州の縫製指導が始まります。
私も、曲がらない鉄を曲げて帰りたいと思うのです。
2010年2月22日月曜日
還暦
あこがれていた赤いバラの花束
白いケーキ
六本の太いろうそく
たくさんのプレゼント
主人、子供たちの笑顔
そして、孫のやすらかな寝顔。
多くの幸せに囲まれてろうそくの火を消しました。
初めて聞いた ハッピィバースデイの歌。
なんだかおしりが落ち着きません。
いただいたプレゼントを開けながら
みんな知っていてくれたんだな
みんなわかっていてくれたんだな
今日を迎える私のために
整えてくれたお祝いの一つ一つに
振り返った景色はピンク色に染まりました。
歩んできた60年、
黒かった景色も
灰色だった景色も
ピンク一色になりました。
そして、今日から生まれ変わった私です。
今日から、振り返らない昨日です。
2010年2月15日月曜日
出荷式
カタログの出荷式を行いました。
スタートは15年前、
通信販売のリミットは営業という部署がありません。
リミットの思い、考えをカタログに盛り込みました。
そんなカタログは営業マンの代わりです。
お客様の顔が見えないから
お客様とお話しすることができないから、
どうか、リミットの服を着て働いてくださる皆様が幸せでありますように
心豊かでありますように
そんな思いを込めての出荷式は時代の証言者です。
働く場所はいくらでもあった時代から
働く場所も
働く会社も
ままならない時代になりました。
着ていただけるお客様があることに
着て下さるお客様がいらっしゃることに
感謝の思いを忘れてはいけないと思うのです。
2010年2月8日月曜日
福州
福州の空港に着きました。
辺りはもうすっかり暮れています。
照明に照らされた高速道路をぬけても広い道路はどこまでも続きます。
暗がりに次々と飛び込んでくる広告はテレビニュースでみる中国の映像と同じです。
福州の街には、車があふれ駐車場は込み合い、人がごった返し街中活気にあふれています。
工場のノウハウなど何も無い若い社長と、福州の総経理、土地を探し建物を修復しました。
わからないことばかり、すべてが初めての経験です。
何もかもが、つまづきの連続です。
でも、一つ一つ乗り越えるたびにそれは経験を越えたノウハウになっていきました。
そして、明日からよいよ機械の設置です。
ミシンの組み立て
日本からやってきたベテランのミシン修理の社員も組み立ては初めてです。
いろいろな場面問題点を想像し、道具もそろえてもってきました。
同行した若い社員は未知への挑戦です。
一週間後、彼はどんな経験をし、どんな壁にぶつかり、どんなノウハウを身に着けるのでしょう。
福州の夜は、一気に黒い塊になりました。
何も無いからこそ蓄えられる大きな袋は、大きな口をあけて待っているのです。
2010年2月1日月曜日
響き
NHKのドキメンタリー番組を見ました。
今急増している無縁死
過去普通の生活をし
普通に暮らしていた人がなくなりました。
でも、発見されたのは一ヵ月後
一人暮らしのお年寄りの孤独死が、社会問題になりました。
でも、無縁死は誰にも見取られず亡くなって、その人の遺骨を受け取る人がいません。
子供が無く、兄弟も高齢、自然に世間との縁も薄れていきます。
番組で紹介された56歳の男性 、
留守電にはお姉さんの、「元気にしている」 の言葉が残っていました。
人が二人になると、そこには一人では考えなくてもよかった事が頭をもたげてきます。
でもそんな心の葛藤を乗り越えて、人は家族となって行きます。
あんな事言わない方がよかったのでは、
いやな思いをさせたのでは
逆に腹を立てる事もあるかもしれません。
家族が多くなれば心配事も悩みも
多くなる分増えていきます。
でも、そんな中から自然に生まれてくるのが絆です。
私たちは一人でも不自由の無い生活の中に、忘れてきたものがあったのでしょうか。
今日は日曜日
表から、子供達が遊ぶ声が聞こえてきます。
二階では、孫の泣き声が近所中に響きます。
いつまでも失いたくない響きです。
2010年1月25日月曜日
幸
大きな橋を見上げながら、ないているのは社長さん
会社が倒産したのです。
苦しい胸の内を紙に書いて渡しました。
「辛」
お返しの言葉は
一を足して
「幸」
再建を約束された社長さん。
テレビで放映されていたのは実在の人物のドラマ化。
銀座で一番売れっ子のホステスさんは、耳が聞こえません。
会話は紙に書いての筆談です。
そうだった、苦しいのは、悲しいのは、
辛いのは
何かが足らなかったから 。
何かを忘れていたから。
今日を、今を、一生懸命生きてみよう 。
やがて、笑顔で去っていくホステスさん
私へのメッセージものこして・・・。
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