2009年4月13日月曜日
お好み焼き
娘の勤めている会社は、ソースを作っている会社です。
久しぶりに帰ってきた娘は会社の事をいろいろ話します。
「会社はソースを売るのが目的ではないんだって」
「エッツ ソースを作っているのに?」
「理念は、お好み焼きを広める事なんだって」
「お好み焼きを広める事で、買ってくださいといわなくても
買ってもらえるようになるんだよ」
明日は研修でお好み焼きを作るからと
二人でネットを見ながら勉強です。
そうか、生地は薄くないと もちもち するね。
キャベツは生地で作ったトンネルで蒸し焼きされるから
やわらかく、キャベツの臭みもとれるんだね。
一つ一つの、工程にノウハウがいっぱいです。
「お母さんもよく、1mmが大切っていうよね。
お好み焼きも、洋服も 表から見ただけではわからないんだね。」
ものつくりの原点は、作る物が違ってもその心は同じです。
2009年4月6日月曜日
桜
村に一本の老いた桜の木がありました。
はるか彼方まで続く緑の山々は、遠くなるほどその緑を濃くします。
春まだ浅い頃、見下ろした田んぼには掘り起こされた土たちがこげ茶色の肌を
むき出しにしています。
冬の訪れが早い村は、何処よりも早く春の息吹を感じるのです。
浅い緑のあぜ道を登ると、そこには古いお堂がありました。
お堂の側の草むらに、半分かれかけた桜の木。
大きな幹に何本もの小枝を重ね、
ピンクの衣は、田舎の空を独り占めしていました。
桜の木は、その年の終わりを、ピンクの花で締めくくります。
遅い春を迎えた年ほど、蓄えられたピンクの樹液が
花びらにより注がれ、いっそうピンクは色濃くなるのです。
村に一本の老いた桜の木がありました。
厳しい季節を乗り越えた桜の花は、いっそう鮮やかに
その年をおわるのです。
2009年3月30日月曜日
流し雛
穏やかな、やさしい風が海をわたってやってきました。
色とりどりの折り紙に、白い紙をしのばせてかわいい目玉を付けました。
優しいお顔のお雛様、船頭さんの持つカイは今にも前に進みそう。
ここは静かな瀬戸内の小さな小さな小島です。
小さな小船に乗せられた12人のお雛様。
大きな波がやってきて、小船と一緒に返ります。
船頭さんの舵取りも大きな波で流れそう。
ひきかえしていくのは何処でしょう。
はるか彼方の沖でしょうか。
それとも海の底でしょうか。
ここは小さな小島です。
誰も知らない、遠い記憶のその中に
帰っていく道をさがします。
明日の夢を託します。
色とりどりの折り紙に、白い紙をしのばせてかわいい目玉を付けました。
優しいお顔のお雛様、船頭さんの持つカイは今にも前に進みそう。
ここは静かな瀬戸内の小さな小さな小島です。
小さな小船に乗せられた12人のお雛様。
大きな波がやってきて、小船と一緒に返ります。
船頭さんの舵取りも大きな波で流れそう。
ひきかえしていくのは何処でしょう。
はるか彼方の沖でしょうか。
それとも海の底でしょうか。
ここは小さな小島です。
誰も知らない、遠い記憶のその中に
帰っていく道をさがします。
明日の夢を託します。

2009年3月23日月曜日
数字
数字は不思議です。
1+1は、必ず2になります。
でも、2 が持っている歴史は計り知れません。
10÷5 かもしれません。
3-1 かもしれません。
いいえ、いいえもっともっと複雑です。
2を、創造する世界は無限です。
そして、
数字には深い深い歴史があります。
苦しかった時代、
喜びの時代、
悲しかった時代
それらを背負った数字は
明日の方向を示してくれます。
明日の生き方を教えてくれます。
数字は時代が示した
明日への入り口 なのです。
2009年3月16日月曜日
ありがとう
ちっちゃな手をきゅっと丸め、ちっちゃな口をクチュクチュ。
大きな瞳は、はるか彼方をみつめ
ほっぺはプルンとやわらかです。
二日間、陣痛と戦ったおかあさん、
やさしく見守っていたおとうさん、
新しい命、おきな産声は、感動とともに、お母さんのお腹から出てきました。
顔を真っ赤にし、ちっちゃな手をにぎりしめ
地の果てまでも届きそうな泣き声は存在の証です。
額にちいちゃなしわ、上目使いで見る先は
とおく広がる宇宙をみつめています。
どこまでも、どこまでも穏やかなねがお。
一つ一つのしぐさが、やさしく愛おしく
かつて父が、
かつて母が、願ったように、
かつて父が
かつて母が祈ったように
ただただ、健やかに、
ただただ、幸せに・・・・・・。
2009年3月9日月曜日
在庫
「コンピューター上では、在庫が1枚あります。もう一度倉庫を探してみてください」
十五年前のある日、受注部門から配送センターへの電話です。
「ありました。」
コンピューターは嘘を言いません。
1+1は、必ず2になる世界。
入力間違いをしない限り、数字が違うはずがない
「人は間違いをするが、機械は絶対に間違わない」 それが会長の持論でした。
まず、私たちはコンピューターが出した答えを信じたのです。
そこから、徹底した確認作業が始まります。
入力ミスはないか、間違い出荷はないか、すべての工程にチェックが入ります。
徹底した在庫管理は、徹底した納期管理の源です。
お客様に、安心して売っていただけるシステムの追求。
「お客様に売るシステムより、お客様に売れるシステムをつくる」
どこまでも、「お客様に喜んでいただきたい」
それは、信念ともいえる会長の強い思いだったのです。
2009年3月2日月曜日
なつかしい人達
なつかしい人達の輪が、畑を囲んで出来ました。
「そろそろ、白菜採らないと小鳥に食べられてしまうよ」
「縫製も大変じゃのう、家ももうプレスはやめよう思うとる」
自転車で通りがかったお父さんは、顔なじみの仕上やさん。
「まあ、畑をしょうるん、私もちっちゃい畑だけどいろいろ植えとるんよ」
「ねぎ、植える、こうして土に埋めておくだけで新しい芽が出てくるから」
笑顔は昔のまま、少し腰が曲がりかかったその人は、ミシンを踏んでくださっていた方でした。
分業化された縫製の町は、一人ひとりがその道のプロでした。
一軒、一軒が小さな会社です。
生地を裁断する家
裁断した生地を運ぶ人、
運ばれてきた生地を、縫い上げてお洋服に仕立てるお家
穴をあけ、釦をつけ少しづつ姿が見えてくると
最後は、仕上げアイロンのプレス加工と呼ばれるお家です。
町は人と人、家と家
つながり、結びつき、分かち合い
分業というシステムは縫製の町を支えていました。
「あったかくなってきたのう」
「そうよ、もう春じゃけえ」
支えあい、結びつき分かち合ってきた人達は、
やがて育つ春の息吹を待っているのです。
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