2012年9月19日水曜日

市電


講演会の帰り道
車をとめた娘のアパートまで
JRなら10分、

たまには、市電に乗って街並みを見て帰ろう
「倍も時間は掛らない、はず」
そんな主人の言葉を信じて
「宮島口」行きに乗りました。

西広島で降り口に向かった赤いシャツのおばさん
なんとなくうかない顔です。
あわてて、「どうだったん」と主人
おばさんは指を重ねて首を横に振ります。
「負けたか」

「この前すごい人出だったね」
「電車に乗れなくて歩いて帰った人もいたらしいですよ」

おしゃべりしているのは、市電の車掌さんとお客様たち
大好きなサッカーのお話らしい、

思わず口をついて出た主人の言葉
「のどかだねー」

なんとなくそう言わせてしまった光景
暖かい、穏やかな、陽だまりのような
いつまでも、なくならないでほしい光景でした。

お目当ての井口駅まで一時間
優しいのどかな風邪がふいていました。

2012年9月11日火曜日

バイキング


 地域で採れた野菜が売られていた、山の中の道の駅。

野菜のバイキング料理店が、オープンして一年
休日のお昼時は、待ち時間が一時間はかかる人気のお店に。

大好きな肉じゃがや、旬の野菜は田舎の素朴な味付けです。
まぜご飯におこわ おはぎにデザート
自分でフルコースを作って、田舎育ちの都会帰りのおばさんの
満足度はとても高いのです。

初めて行ったその時は
オープンしてまだ1ヶ月、

不慣れな手つきの叔父さんは
緊張されたのでしょう、
あろう事か二度もお皿を割られてしまいました。

でも、それはそれでとてもほほえましく感じられたのです。

今日は、お皿を割られた叔父さんの姿は見えません。
そして、ちょっと幸せ気分にしてくれる
デザートも、おはぎも別コースになっていました。

お腹に入る量は同じなのに

お皿を割られた叔父さんが、なぜだか懐かしく感じられるのです。



2012年9月3日月曜日

鞆の浦


 ゆっくり流れる時間を味わいたくて
鞆の町を歩きました。

曇天の空を映した海は薄褐色いろです。

路地裏の石畳
爽やかな風が通り過ぎていきます。

突然現れた鞆竜馬、
坂本竜馬の、「隠れ部屋」が残るという
「桝屋清右衛門宅」前でにっこり

麦茶をいただきながら、「いろは丸事件」
紀州藩を相手に談判の経緯は
あっという間に約束の時間に

ゆっくり流れた時間は
「また、来よう」
明日へのお土産です。

2012年8月27日月曜日

お別れ

 
 28年間、リミットを支えてくださった古参の社員さんが退職されました。
創業以来、初めての定年退職者です。

玄関のドアを開けると応接間を改造した事務所に、わずか五人の小さな会社。
隣の部屋では子供達の遊ぶ声が響きます。
会長は玄関に背を向けて一生懸命パソコンとにらめっこです。

入社は、本格的に通信販売に業態転換の過渡期でした。
やがて、福山市に新築した日本生命ビルに入居
広い事務所に会長と二人。

その仕事は
会長の夢を聞くことでした。

小さな会社で、大きな仕事
それは、コンピューターを駆使した「喋らない商売」システム

納期を守らないから、断りを言わなければならない
品質が悪いから、断りを言わなければならない
うれないから、買ってくださいと言わなくてはならない

「入金していただかないと、コンピューターが動きません。」

沢山の名言の影に、時代を生きた彼女の存在は
リミットの母体を支えて行ったのです。







2012年8月21日火曜日

 朝、玄関のドアを開けると一斉に響いていたセミの声が聞こえなくなりました。
あれから一ヶ月、あっという間に夏はもう秋の準備に入っていました。

なんだか身体が思うように動かないな
お腹がなんだかおかしいな

小さな穴を開けての手術は、あっという間に終わり
天井をみつめた生活もほんの数日
「一週間もすれば元の生活に戻れますよ」

確かに痛みは、徐々に和らいでいきました

でも、かすれて声が出せません
指に、手に、力が入りません。

何もかも当たり前と思っていたことが、そうでは有りませんでした。
身体の小さな動きにも
どれだけ多くの私が、働いていてくれるのでしょう。

玄関のドアが重いなあー
忘れないように、
夕方、秋の虫たちの優しい声が聞こえます。




2012年7月16日月曜日

ハイ、よろこんで


 「ハイ、よろこんで」

たまたま目にしたBF法入門のマニュアル本
皆で少しずつ読み返しながら
何がなんだかわからないけど実践してみました。

理屈が先に入ってしまいます
やらなければならないから、と義務感に押されてしま
います。
なかなか「ハイ、よろこんで」
が言えません。

そんなある日
「何も考えず、まず実行してみました。」

「不思議です、今まで縫えない、いやだと思っていた商品が
ハイ喜んで、と受けてみたらこんなにスムーズに縫えました。
いやだ、の思いが消えたのです。
次から、電話の受け方が変ってくるような気がします」

ラインの責任者の一言は
皆に勇気をあたえます。
また一段積み上げられたハードルを
必死で登る勇気です。

2012年7月2日月曜日

寄り添う


 別ブランド、「リフィン」のメッセで、上智大学 高木慶子先生のお話を聞きました。

死の悲しみはどうしようもなく、悲しみとして表現するには
とても耐え難く、深く苦しいもの

お父さんの死に泣き崩れている娘さんに
そっと椅子を勧めてくださった看護婦さん

何気ないしぐさが、心遣いが
悲しみの心に寄り添いました。

残された人達の行き場のない深い悲しみ

でも、その心にそっと寄り添えるのは
葬儀をお仕事としている
貴方なのですよ。

深い感銘を残して
講演会は幕を閉じました。

私たちもユニホームを通して
働くみなさんに
そっと寄り添える存在でありたいと思うのです。