2014年9月29日月曜日

行列の出来るお店


 毎朝の情報提供、
「知っとこ、で紹介されていた日本一行列の出来るスーパーマーケットランキングで
福山市のエブリィが二位で紹介されていました。
エブリィは一日のうち魚の売り場だけでも、三回変わるのだそうです。
朝は、鮮魚中心、お昼前には切り身に、そして三時過ぎると刺身やおすしに変わる。
同じ主婦の方でも、朝こられるお客様には鮮度を、お昼前のお客様には便利さを、
そして夕方お勤め帰りのお客様には、さっと食卓に並べられる手軽さを売られているのです。」

昨朝の担当は、「なるほど、」 
いつもジーと耳を傾けて聞きいってしまう古参の社員さんのお話でした。

夕方いつものように慌しく近くのスーパーに買い物に行きました。
今日は日曜日、いつもと違ってご夫婦連れ、子供さんやお孫さん、
そんな家族連れの方が目にとまります。
いつもの惣菜より多くのお刺身やおすしが並んでいます。

どこのスーパーもエブリィと同じように、お客様の目線に合わせて品揃えされているのでしょうか。
でも何故、エブリィは行列の出来るお店なのでしょう。

街には多くの人があふれています。
店を訪れる多くのお客様は、何を思いどんな行動をされるのか。
一人ひとりの動きは複雑です。
でもどんなお客様も必ず持っておられるのが情報です。
動きそのものが情報です。答えではありません。
お店は沢山のお客様の情報の中から、どんな答えを導き出すのでしょう。

その答えが、エブリィの集客力につながっているのかもしれません。







2014年9月22日月曜日

パン屋さん


 久しぶりに行ったパン屋さん
小さな町の、小さなパン屋さんです。
でも、人気のパン屋さん
テレビで紹介されてから、ますます朝はごった返していました。

「この置き台は、動線を妨げて邪魔になるね。」
新築されたパン屋さん、娘と会話したのは何年前だったでしょう。

動線の外周りに、三段になったパンの置き台がコの字に、
さらに真ん中に大きな平台が置いてあります。
平台は、手をしっかり伸ばさないと真ん中のパンは取りづらい、
引き返して取ろうとすると、後から入ってきたお客様にぶつかります。
出来立てのパンを運ぶ店員さんとぶつかります。


やがて真ん中の平台は、少し低くなりました。
横に向き直さないと取れなかった野菜ジュースは、向きを変えなくても大丈夫に。
新作のパンと一緒に、少しづつ、すこしづつ、配置が変わって行きました。

そして今朝、久々のパン屋さん
三段の置き台は、二段に、
頭を上げたり下げたりしなくてよくなりました。 
お店と工房を仕切っていたガラス窓は取り外されオープンに、
小さなお店が広く感じられるだけではありません。
「おいしいメロンパン、焼きあがりました」
オープンカウンターの上に焼きたてのパンが並びます。

新作のパンと一緒に、きっとこれからも小さな工夫が並ぶのでしょう。
「ウフ、」 なぜだか笑顔がこぼれます。












2014年9月14日日曜日

土曜日


 会社がお休みの土曜日、
髪を染めながら、学生時代の思い出を語ってくれるのは美容師になった姪っ子です。

パーマを掛ける為に、両手で小さなカラーを巻いていきます。
髪が均等に巻きつき緩まないように、両手でしっかり巻いていきます。
巻き終えたカラー、ゴムを取るために片手を離します。
離した右手を補おうと左手に力が入ります。

すると、
「今までしっかり巻かれていた髪がズルッと緩んでしまうんよ」。
片方の手を離しても、そのまま力が均等に保てれば、髪は緩まないのだそうです。
早朝、誰もいない教室の隅で必死で特訓した技術は、母となっても健在です。

バブルの最盛期、増産しても増産しても注文に間に合いません。
工場を増やし、人員を増やし、鳴りっぱなしの電話のベルに必死で対応してきました。
戦略を持たない在庫は、やがて工場閉鎖を余儀なくされました。
余剰人員を生みました。

常に安定を願いながら、
追いかけっこの製販は、大きな山、小さな谷を繰り返しながら四十年の歴史を刻みます。

失敗、失敗の連続の中、いっぱい苦しんでいっぱい悩んで
それでも見つめた明日の事を、そっと話したいと思うのです。




2014年9月8日月曜日

分析


 「プライドを傷つけてしまうのでは、黙っていよう」
でも、言い放しは無責任、
「大切なのは、どれだけその人の思いに立てるか
必死でその事を考えていたら、きっと思いは伝わるよ。」
尊敬する人からの、アドバイスでした。

毎朝の朝礼で聞いている松下幸之助語録、
今朝のテープは、全盛時代の松下電器
「何時まで松下の躍進は続くと思われますか」
メイン銀行の質問に
「それはわからない、お客様がそれは決めてくださる」

お客様のニーズを探り提案出来なくなった時、松下の衰退が始まる。
それは、逆に常にお客様のニーズにあった商品開発を願った幸之助氏の
言葉だったと思うのです。

営業マンのいないリミット
カタログが営業マンの代わりです。
必死で探ったカタログ作り、
でもカタログを支えるのは、一点一点の商品です。

なぜ売れたのか、売れなかったのか、
商品分析は、明日のお客様を支えます。








2014年9月1日月曜日

肥料


 やっと見えた青空の下、久々に畑にいきました。
畑は、どれが野菜か草かわからないぐらい一面緑色です。

「おはようございます。今日は早くから来られたのですね」
声を掛けてくださったのは、お隣の畑を作っておられるおばあちゃんです。
「雨が沢山降って、草が茂ってしまいました」
「お宅はよく肥をされているので、草もよく伸びるでしょう」

おいしい野菜を作りたい、元気な野菜を作りたい
「飯を、やらんといけん」
そんな主人の声を、何回も聞いた気がします。
野菜にと思って撒いた肥料は、草にもしっかりきいていたのです。

言いかけた言葉を、何度も飲み込みました。
でも、言わないと伝わらない、気がつかない
小さなほころびは、大きなほころびに繋がっています。
小さな工場、何処まで行っても「これでよし」、ということはありません。

躊躇した言葉を撒いてみよう。
「おいしい野菜を作りたい、元気な野菜を作りたい。」
撒いた肥料は、きっと隅々まで届くはず。