いつもなら静かなわが家も、今日は夕方からとてもにぎやかです。
ちょうど始まった24時間テレビを見ながらお喋りしている人、主人と北京オリンピックについて討論している人、二人でほっぺを叩き合っている人、お料理をお皿に盛りながらお喋りしている人、皆笑顔がいっぱいです。
でも、主人の問いに答えている人は言葉が喋れません。
自分の思いをノートに書いて伝えます。
ほっぺを叩き合っているように見えたのは、手と指が忙しく動いているので、叩き合っているように見えたのです。
彼女は、耳が聞こえません。喋る事もできません。
表情いっぱいの笑顔で、難聴の彼とじゃれあう二人は手話で話をしているのです。
大勢のお友達を連れて帰ってきたのは、我が家で一番明るい長女です。
長女は、足が不自由です。
丁度その時24時間テレビでは、健康で明るかった若いお父さんが身障者となり、やがて自分の病気と闘いながら家族と強く生きていくというお話をしていました。
「普通の健康な人がだったらこのテレビを見て、きっとかわいそうにって思うよね。でも、僕らは当たり前だなって思うよね」
黒縁メガネの男の子は優しい笑顔で屈託なく答えます。
「私は、最後のマラソンはいつも泣いてしまうから見ないようにしているの。」
車椅子の女の子の澄んだひとみが、潤んでいます。
そして、左手に右手を十字にそえて笑顔で首を縦に振ります。
「有難う。」
いいえ、いいえ、お礼を言わないといけないのは私の方です。
すべて揃っているのに、いつも不満いっぱいの私の方です。
「ありがとう」
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
空はいつの間にか秋色に変わります。山もいつの間にか秋色に変わります。毎年変わりなくやってくる景色です。
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