二月、雪の中やむなく引き返した岩谷寺は、登っても登ってもその姿が見えません。
今日は会長が歩かれるお偏路路を、二人で登っています。
道沿いに生い茂る木々の間を、一歩一歩かみ締めるように登りました。
上から降りてくる人達が「こんにちは、まだまだ石段は続きますよ、気をつけて
登ってください」 声をかけて降りていかれます。
少し平らにカーブした所にいすが置いてあります。
会長はここで、衰えた足をさすって休憩されるのでしょうか。
石段の両脇に沢山のお地蔵様が、両手を合わせて多くのお遍路さんを迎えています。
石段はなおもカーブしながらお地蔵様と一緒に、上に上にすすみます。
やがて、切り立った岩肌 いいえ、岩とは言えない 今にも風で飛んでいきそうな風化
した岩山が 突如眼上に現れました。
資料には岩の中に空海は不動明王の木像と石像を刻み、木像は堂宇を建立して
本尊として安置、石像は奥の院の岩窟に祀って秘仏とし、岩山全体を本尊とした、
と記されています。
ろうそくの明かりを目印に、真っ暗な洞窟の中を手探りで登りました。
怖いくらいに厳しい、そして優しい不動明王はがっと目を見開いています。
「140回のお四国は、自分との戦い」
会長の言葉が、聞こえます。
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