2010年5月31日月曜日

ロボット


おお!
ついにやったぞ

5月30日、新聞を広げた主人の感激の声
日経新聞に載っていたのは「コンピューター脳に近づく」の見出しで紹介されていた
「賢いロボット登場」

「分子コンピューターと呼ばれる技術の一種で、普通のコンピューターとは全く異なる。普通のコンピューターは半導体チップやハードディスクで出来ているが、新技術は微細な有機分子の薄膜一枚にすぎない」。

「膜って何、それって細胞のこと」?

「わからん、とにかくすごい今に知能を持ったロボットが出来る時代が来るぞ。
昔の漫画に書いてあった通りだ。」

ロボットが大好きな主人の話は、ますますエスカレートしていきます。

よく読んでみるとこんな事が書いてありました。

「この分子には電子を与えることができ、与え方がプログラムやデータ入力にあたる。そしてこの分子は隣同士の結合で、自由に変化する。この変化が一種の情報処理になる。これは、状況に応じて回路の構成を自分で変えていくコンピューター技術で進化回路と呼ばれる・・・ そこには初期的な知能すら見え始めている。」

最後に、こんな言葉で結んでありました。

「進化回路は、脳にも似ている。分子が脳神経細胞、回路が脳神経細胞ネットワーク、そして分子層全体が脳。コンピューターは知能を持つ人間の脳に近づいてきた。
将来いちいち教えなくても、自分で賢くなるロボットが実現するかもしれない。」

こんな言葉も、
データ処理と知能の違いは、人間はさまざまな図形から似たもの同士をあつめたり分類することが出来ます。
でも、普通のコンピューターは少しでも違うと異なると認識し似たものを捕らえるのが苦手です。
この分子層は似た入力が皆同じになる、などグループわけが出来る。

そして、
「分類する能力は知能の第一歩、それが出来ないと物質をうまく識別することが出来ず、高度な知能にたどり着くことは出来ないのかもしれない」

今日は日曜日、目の前には日々整理できなくて溜まってしまった たたみかけの洗濯物、傍らに押しやられた新聞や雑誌の束。

「分類する能力は知能の第一歩、それが出来ないと物質をうまく識別することが出来ず高度な知能にたどり着くことは出来ないのかもしれない」

確かに、確かに、

変に納得してしまった私です。

2010年5月24日月曜日

永田農法


 新しい農業の方法に永田農法というのがあるそうです。
やせた土地に作物を植えるその方法はとても画期的です

私たちは、今日も畑を耕しました。

土を耕し栄養を与え、野菜が育つのに必要な土地に改良していきます。
そして恵まれた環境で野菜はすくすく育ってほしいと願います。

でも、永田農法は初めから栄養を与えません。
必要なとき必要な所へ必要な量だけ与える農法は、ハングリーな野菜たちが
おいしい野菜に育つのだそうです。

日曜日の朝、何気なく広げた新聞に写っていたのはモノクロの写真の中の子供たち。
一心に見つめているのは、おばあさんの手の先で作り上げられる飴細工です。

子供たちの食い入るように見つめるそのまなざしに
作者は本当の豊かさとは、と問いかけておられるのでしょうか。

本当に必要なものは何なのでしょう。

ハングリーな野菜は、おいしい野菜に育つのだそうです。









2010年5月17日月曜日

納期


 「リミットさんは、他社と違うと思っていたのに
2ヶ月先の納期をお客様にいえますか。」

受注の窓口、お客様センターに届いた言葉です。

連休前から入り始めた夏物の注文が連休明けからさらに拍車がかかり、
サービスセンターは納期の返事に追われています。

昨年秋、売り上げの落ち込みはかつて経験したことのない状況でした。
その中で実行された中国青島工場の操業停止。

当時の判断を社長はこんな言葉で綴ります。

「この不況は今まで経験してきたものとは全く異なると感じました。地面に亀裂が走り、一気に地盤が崩落したかのような、もはや恐怖感でした。
この状況でも存続できる会社にするためにはどうしたらよいかをまず考えました。

結果、中国青島工場の操業停止、そして新しい工場をスタートさせる事を決意したのです。

そして
約束しています。

「来年春には新しい中国の福州工場が動き始めます。国内工場も、クイック生産することで、在庫を減少させます。このようにして、品切れ商品も、仕掛がない状態から二週間の即納体制を維持いたします。」

福州工場を軌道に乗せることが自分に課された使命と考え取り組んできました。

でもそれは、本当にお客様を見ての取り組みだったかと今思うのです。
確かに、品質のよい工場が出来上がりました。
まだまだ、採算的には無理があります。でも、生産ラインがやっと出来上がりました。自分でも、短期間でよく頑張ってくれた、よく出来たと思っていました。

でもこの繁忙期に製品を間に合わすことが出来ませんでした。
本当にお客様のことを考えていたなら、社長の言葉の意味をもっと強く受け止めていたならもっと短期間で軌道に乗せることを使命としたはずです。

国内工場も、福州工場も残業しながらのフル稼働。

人も企業も、苦しいときほど真価が問われるのだと改めて思うのです。




2010年5月10日月曜日

若い力


福州から帰国して一週間、悶々とした日々が続きます。
きれいな商品が縫えました。
自動裁断機で裁断されたそれぞれのパーツは、分類され棚に並んでいます。

色違いを防ぐ為の順番がふられ、必要なパーツに生地を安定させる芯地が貼られ、 順序良く製品がミシンの間を流れてゆきます。

でも、希望とする枚数が縫いあがりません。

多品種小ロットのリミットの製品。
あっという間にひとつの商品は縫い終わってしまいます。

縫製の経験が全く無かった総経理
でも、一つ一つの失敗が新しい引き出しを作ってくれました。
いよいよ最後の砦です。

福州の問題は実は日本が抱える問題でもありました。

リミットの生産は、販売という母体に支えられてきました。

福州に指導に行ったと思っていた私達、でもそれはぬるま湯につかり続けている
自分達への警告でした。

「人は感じただけ成長できる。」
NHKの大河ドラマで勝海舟が言っていた言葉です。

40年間、みつめ続けたリミットです。

若い力とともに、この大きな砦を越えて行きたいと思うのです。