2010年4月26日月曜日


日曜日、久しぶりに穏やかな春らしい気候になりました。

真新しい靴を履いた孫の手を引いて、お散歩に出かけました。
「まあまあ、お散歩ですか」
ご近所の皆さんが順番に声をかけてくださいました。

そんな事にはお構いなしの初孫君、トコトコと思う場所に動きます。

背丈の半分ほどの溝をあえて選んで入ります。
とても、たわない溝から足を上げて上がろうとします。

前に石があろうと、深い溝があろうと見えているのは直線状です。
うっかりすると溝にはまりかねません。

でもこうして人は、いろいろな経験を積み重ね、経験しながら学んで行くのだと
改めて思うのです。

やっと産声を上げた福州工場
伝えることと学ぶことが一度にやってきました。

伝えても伝えても理解してもらえなかった事が
失敗という経験を通して自分のものになっていきます。

でも、今つまずいているこの石は、実は大きな岩の先端でしかないのです。
先端しか見えていないこの岩は、私たちが初めて挑戦する岩なのです。

リミットは、小さな数量の積み重ねで売り上げを伸ばしてきた会社です。
さらに、小口化はどんどん進んでいます。

ライン編成の方法は、過去の経験は通用しないかもしれません。

全社一体となって取り組まなくては越えられない大きな岩は、まだ見えていないのです。

2010年4月19日月曜日

福州 情報


 「もしもし、総経理・・。」
 「はい」

 「たたみ方が違っています。手直しをしてください」
 「・・・。」

 初めて福州から入荷になった商品、
 縫製はとても綺麗です。
 小さなことにも心を配り、厳しい班長さんのチェックを通過した製品たち
 でも、製品は最終工程のプレスの工程で
 お化粧され、花嫁衣裳を着るのです。

 どんなに綺麗な素材でも最後のお化粧で見た目の雰囲気を壊してしまうのです。
 みんなの思いの最後の表現者
 最後のプレス工程はそんな重大な役目を持っているのです。

 正しいたたみ方を再度メールに託して送ります。

 一日、二日、三日が過ぎても何の返事もありません。

 「伝え方は、これでよかったのかしら、他に方法はなかったかしら
  初めて経験すべての事に、一生懸命立ち向かっている総経理、
  そんな思いを無視してしまったのでは・・」

 メールを確認するたびに不安は大きくなるのです。

 「室長さん、手直しすべて終わりました。  しわも綺麗に直しました」
  
 「よかった、有難う」

 五日後の事でした。

 「有難う、でもね総経理
 たとえ悪いことであっても即、報告する事
 会社はよい答えを待っているのではないのです。
 今の正しい情報を待っているのです。」

 私の頭の中は、もう次の宿題で頭がいっぱいになりました。

 

 

2010年4月12日月曜日

130億光年


地球に一番遠い星は130億光年離れているそうです。
130億光年かかって地球に届くその姿は、
130億光年昔の姿を私たちは見ていることになるのだそうです。
現在の今の姿ではないのです。
気の遠くなるような数字、でもそうした星の観測をすることによって
私たちは地球の誕生歴史を知ることが出来るのだそうです。

そう考えると、私たちが目で捉えるあらゆるものに距離があります。
それは測ることも出来ないほど瞬間かもしれません。
でも一瞬であれ今の姿では無いと思うと信じるものが違って見えてきます。

目に見えるものだけを追いかけていてはいけないのではないかしら
そんな気がしてくるのです。

すべてのものは距離を置きながら刻々変化を遂げているのです。
変化を感じるのは見えるからです。
でも見えないところにあるものは何なのでしょう。

探し続ける中に、企業も明日の行く道が見えてくるように思うのです。



2010年4月5日月曜日

役目


なかなか開かなかった桜の花が、昨日の回復したお天気のせいで一気に花を広げています。

テレビのニュースは桜前線の映像をを追いかけていました。
映し出された新宿御苑の桜はピンクがひときわ鮮やかです。

アナウンサーさんは伝えます。

一昨日の強い風、発着の飛行機が欠航、新幹線もストップ
街は強風で道行く人の周りで物が飛んでいました。

「でも見てください。
それなのに桜はひとつも散っていないのです。
しっかりと茎に花をつけているのです。
それはまだ、桜の役目を終えていないからなのです。」

今日は日曜日、行事続きの合間をぬって桜を見に出かけました。

雑木林の中をやさしいピンクの並木道がどこまでも続いていました。
昔この山城は、毛利に味方し、のろしで尼子の攻めを伝えたという
広大な神辺平野を眼下に、歴史の足音が聞こえてきそうです。

「桜の花の役目は受粉です。
やがて命をつなげた花たちは一斉に川面をピンク色に染めるのです」

アナウンサーさんの興奮した一言を思い出しました。

次の世代に伝えていくもの、次の世代に残していくもの

この世に命をいただいた私たち、次の世代に何を伝えようとしているのでしょう。