2010年3月15日月曜日

福州3


 一人ひとりの能力を確認するために、基本の縫い方を練習してもらいました。
二枚の生地を重ねて縫うのも、丸い円を描いて縫うのも、高度なテクニックを要求される丸い生地に平らな生地を縫い付けるのも、とても上手です。

リミットの商品は、身頃に袖をつけたり、後ろ身と前身をあわすのに特殊ミシンを使います。

特殊ミシンは、断ち目にロックをかけながら同時に縫い合わせてくれる特殊なミシンです。

特に袖付けは、腕の丸みを出すために袖は大きくカーブを描きます。
身頃の形状と、袖の形状は違った形をしているのです。

カーブは触っただけで伸びようとします。
直線は、逆に縮もう縮もうとするのです。

上下に重ねた生地、上になる生地と、下になる生地を持つ手は違った動きが必要です
経験の無い人には難しい技術です。
 
いざ、ラインを組んでの人選は、工場の責任者の二人と意見が合いません。

二人が推薦する女性は、とても優しい手つきでどこでも丁寧に上手に縫えました。
でも、特殊ミシンの経験はなさそうです。

人選の理由は、入社試験で造ってもらったワンピースがとてもきれいに縫えていた事、
しかも袖付けがきれいに縫えていたからと言うのです。

こんなに綺麗に縫えています、と見せてくれたワンピース
肝心の特殊ミシンが使ってありません。

声を失ってしまった日本から一緒に行った縫製指導のライン長と私、

同じものを見ても、感じる視点が違っているのです。


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