2009年11月30日月曜日
ひだまり
駐車場の側に小さなお家があります。
玄関の前に椅子がおいてありました。
今日は暖かい一日。
椅子に座って遠くを見つめているおじいさん。
どこを見つめておられるのか、何を見ておられるのか。
その目は一点を見つめたままで動きません。
ドアを閉める音にも無反応です。
人は皆老いていきます。
歩んできた人生を、振り返っておられるのでしょうか。
人は人とのつながりの中で、支えあいつながりあい喜びが生まれます。
でも、苦しみも悲しみもまた、人とのつながりの中で生まれます。
一人ひとり精一杯生きている中で、
気がつかないで傷つけている心があるかもしれません。
気がつかないで通り過ぎている心があるかもしれません。
遠くを見つめているおじいさん。
ひだまりは、おじいさんを暖かく包んでいました。
2009年11月23日月曜日
お葬式
11月17日、読売新聞に「長寿革命」、死生観という見出しで変わりつつある「葬送」に
ついてとりあげられていました。
写真はライトアップされた樹木墓地の慰霊祭の様子が写し出されていました。
樹木葬や手元供養、他の人と一緒の永代供養墓も急増しているそうです。
そして、遺族との孤立化も指摘されていました。
東京都内では5人に一人以上が葬儀をしない直葬を選ばれているそうです。
「生命観や精神性、家族制度など、私達がよって立つべき「型」が見えなくなってきた。
長寿の時代、新たな価値観や可能性を探り、豊かさの意味を問い直す事が求められる」
と結ばれていました。
昨日、主人のお友達のお母さんがなくなられました。
81才でした。しっかりした気丈なお母さんだったと聞きました。
主人から聞いた生前のお姿、お葬式の様子
そんな会話の中で、私達は知らない間に心の中でなくなった方とのお別れをしているのです。
なくなられた方とのお別れ、それはまた生きておられた証です。
一人ひとりその環境も、考え方も様々です。
でも、多くの人達とのかかわりの中ではぐくんできた人生、
お葬式は、そんな皆様にお礼を言える最後の場所だと思うのです。
2009年11月16日月曜日
お客様
工場の中はいつにもましてにぎやかです。
なにやらわからない言葉で いっぱい喋っているのは
新しく立ち上がる工場、中国の福州工場の総経理と工場の責任者です。
出来上がったサンプルを見ながら
縫製の考え方、縫いの基本
サンプルの注意点を伝えました。
小さなサシを持ち2mmの違いを伝えます。
角は角に、丸は丸に縫ってください。
総経理は私の言葉を中国語に直して伝えます。
xxxxxxxx xxxxx xxxxxxxxxxx xxxx xxxx
なにやら話が込み合っています
総経理は、倉庫から商品を持ってきてたずねます。
「この商品はここが少し丸くなっています。これでいいですか。」
「・・・・・」
答えられない私に総経理は続けます。
「この商品と同じであればいいのですね」
総経理は日本の大学を出て、その語学力は抜群です。
確かにそこは気がつかないでいたパターンのミスでした。
工場も気がつかないまま縫っていたのです。
縫製工場の経験が無い社長に専務、中国工場の総経理
経験がない分、理解しようと必死です。
学ぼうと必死です。
若い力は過去のミスを浮き彫りにしました。
明日を見つめる若い力は冬の寒さをうけながら
しっかりとその力を蓄えているのです。
やがて来る春の息吹を感じるのです。
2009年11月9日月曜日
小さな笑顔
眠い目をこすりながら、ニコッと笑います。
見つけた興味に向かって、ひじに力を入れ体を傾け足をけって進みます。
時々、足より手の動きが遅れてひっくり返ります。
それでも頭を上げて前に進みます。
興味は次々代わります。
小さなボタン、
おじいちゃんの着ているジャケットのフアスナー
くるくる回る留め金がお気に入りの様子
お母さんの両腕に抱きかかえられた小さな命は、やがてすやすや眠ります。
先におばあちゃんになった妹がしみじみ語ります。
子供が出来たら親の気持ちがわかると言うけどあれは違っていたね。
わが子は育てるのに必死だった。
親の気持ちなんて考える余裕が無かった。
でも、孫が出来初めて親の気持ちがわかった気がする。
はぐくんだ命、つながっていく命、つなげていく命
大宇宙、自然に存在するものはすべて螺旋だそうです。
水の流れも、貝やタニシの模様も螺旋です。
不思議です。
でも、それはつなっがっている
終わりの無い事を意味しているのかなと思うのです。
2009年11月2日月曜日
たすけあい
日曜日の朝、いつもテレビの前に座っている主人は地元出身のk議員さんの
お話を聞きに行きました。
そんな主人に代わって座ってテレビを見ているのは私です。
自然豊かなその村はドイツのジャガイモを作られている農家です。
採りたてのジャガイモは皮付きのままでゆがきます。
ゆがいた芋は皮をむきスライス、ゆでた卵にピクルスを加えヨーグルトマヨネーズを
まぜてポテトサラダが出来上がりました。
近所の人達や、親戚の人達を招いてパーティです。
楽器に合わせて歌ったり踊ったり、お皿に乗ったご馳走は大きなウインナーと
作りたてのポテトサラダだけでした。
農家の人達が集まってジャガイモの収穫を祝うピクニック
お皿の上に載っているのは、ベーコンとたまねぎを炒め、スライスされたジャガイモを
卵でとじた浅葱の緑が鮮やかなお焼きです。
少ないメニューにいっぱい広がるのは人々の笑顔です。
幼い頃、
いろりを囲んで食べていた夕食は野菜が一杯入ったお汁に暖かいご飯でした。
k議員さんのお話を聞いてかえった主人、
「これから時代がおおきく変わっていくそうだよ。
日本だけではない、アメリカもヨーロッパも世界が変わっていくよ。
力を誇示しあっていく時代は終わり、お互いを支えあっていく時代になるよ。
昔、お互いがたすけあってきた時代だよ。」
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