母のお墓は小さな丘の上にあります。
太陽をいっぱい浴びていつも輝いています。
「太陽がいっぱい降り注ぐ場所がいいな」と、いう私に「夏は暑いぞ」と主人。
田舎のあぜ道は、この季節大きく茂った草たちで覆われます。
見下ろした棚田には凛とした緑の稲穂が、高さを競っています。
朝、木の下で鳴いていた小さなせみは、白樺色のニィーニィー蝉。
昼うるさく鳴いていたあぶらぜみが、かなかなと鳴くひぐらし蝉に変わる頃
村はもう赤とんぼの季節です。
田んぼに切り株が残り,籾殻を焼く煙があちこちから上がります。
遠くで太鼓や鐘の祭囃子が聞こえます。
やがて、かさかさと舞う枯葉の音を聞きながら夜長の秋は深まっていくのです。
早く目覚めたその朝は一面の銀世界、太陽の光を浴びてきらきらと輝きます。
張り詰めた空気が緩む頃、雪の下から顔を出しているのは春を待ちわびている蕗の薹です。
時を経ても変わる事のない自然の営み。
村は自然の営みの中に、人々の暮らしがありました。
なにもなかったお盆はタバコの葉の収穫時期、やにのついた母の黒い手が額の汗をぬぐっていました。
「環境」という名を借りて、私たちは次に何を作ろうとしているのでしょうか。
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
腰に手を当て背筋を伸ばし頭を首の上にまっすぐ置いてみました。足は大地の上にしっかり立ちました。目を閉じると草や木のささやきが聞こえるのです。
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