2011年12月26日月曜日


 NHKの番組「ようこそ先輩」で東京スカイツリーを手がけられた照明デザイナーの
戸恒浩人さんが、子供たちに照明についてお話をされていました。

子供たちがその日に食べる給食。
部屋を暗くし給食にスポットが当たります。
すると、いつもの給食が浮かび上がって見えました。
それは、高級レストランのランチのようにも見えるのです。

光には必ず影の部分と光の部分がある
戸恒さんのつくる照明は少ない光で、影の力もうまく利用するのが特徴。
心に訴える照明に多くの光は必要ない。

あらゆる事に目を向け、あらゆる事に全力をそそぎ
いつも、張り詰めていた緊張の糸が切れたのは春の頃でした。

動かなくなった右手を
必死に持ち上げながら、
リハビリは続きます。

でも、何もかもではない世界
部分にしか当たらない光
だからわかる影の大切さ

そんなあたらない光の影を
みつめる人生も 
また素晴らしいと思ってもらいたいのです。




2011年12月19日月曜日

お花


前日テレビで放映されていた番組
故郷を離れて他の土地で暮らす、震災にあった子供たち

そんな子供達を勇気付けようと企画されたイベント
銭湯の壁画の書き方を、プロの人に教えてもらおう

子供達は震災前まで暮らしていた野や山
一緒に走り回った小学校の校庭
一人ひとりの思い出をつないで大きな壁画を描きました。

震災前まで、当たり前と思っていた野があり山がありました。
その時は何も感じなかった。

でも、
今あることが当たり前ではないんだね。

声を詰まらせながら、先生はお話をされました。

 月曜日の朝
冷たくなった手をさすりながら、駆け込んだ工場
いつもの建物
いつもの通路

赤、紫、ピンク
休みの日に会社まで来て植えてくださった、かわいいパンジーの花達が
一段と輝いて迎えてくれます。

ただ ただ、あり難いと思うのです。





2011年12月12日月曜日

モーターショー


 中国版NHKのドキメンタリー番組、フエイスを見ました。
もう一つの自動車革命
東京モーターショー、その中で異彩をはなっている車、
それはあえてエンジン技術に力を入れて開発したマツダの新型車だそうです。

エンジンの燃費率を、15%も上げることに成功したピストン
爆発を滑らかにするその技術は、加工する形状にありました。
微妙な形状を持つこのピストン、45もの工程を通ってより精密な精度を要求されます。

試行錯誤の末、目をつけたのはサンプル作成などに使われる マシニングセンターという機械
でも、一工程ずつ歯を付け替えなければならない為、ラインで流すより大幅に時間がかかります。

誰も見向きもしなかったこの機械に目をつけたのが、ライン設計の責任者

「自動車はラインで流さなければならない」
この常識をくつがえしたのです。

10工程以上を、一台でこなすマシニングセンターの改良
自動で針を付け替える交換ソフトの改良が、大幅な時間短縮を生みました。

開発責任者の人は語られます。
「皆、楽しんで仕事をしていました。これが成功したらパラダイスが待っている。」

多品種小ロットのリミットの工場。
でも、機械とは違って技術力の差は当たり前、
だからライン編成が必要です。

でもあえて、
「ライン編成が当たり前」
この枠をとりのぞいたら
どんな工場が見えてくるのでしょう。

今からわくわくするのです。




2011年12月5日月曜日

ポケット


 洗濯をしているお母さん
白いエプロンの裾を引っ張り 泣いているのは妹です。

泣き虫妹の 
涙を拭いた、てぬぐいも
鼻水ふいた、ちり紙も
笑顔にした、飴玉も

何でも出てくるポケットは
エプロンの脇役です。

母さんのポケットは、不思議です。

甘えん坊の妹が
怒リンボの妹が
エンエン、泣き虫の妹が
寂しがり屋の私が

すっぽり入るポケットです。