2009年9月14日月曜日

アルバム


押入れの整理をしました。

間口を塞いでいた古いゴルフ道具を取り除くと長い間日の目を見なかったのは
なつかしいアルバムたちです。

緑の畑を背に苦虫をかんだ母の横で笑顔を振りまいているのは私達姉妹です。

母の写真はどれも苦虫
笑っている写真がありません。

浅黒く日焼けした肌に刻まれた太いしわ、
落ち込んだ目の下にさらに小さなしわがいっぱいです。

お母さん、
なぜあの時わからなかったのでしょう。
なぜあの時知ろうとしなかったのでしょう。

貧しさの中にどんなに子供達の幸せを願った事でしょう。
どんなに家族の幸せを願った事でしょう。

「何か欲しいものある。どこか行きたい所がある」
病床の母に伝えた妹の声に

「何も欲しいものは無いよ。いろいろな所にお父さんと行ってとても幸せだったよ」

最後に残した母の言葉を思い出すのです。

2 件のコメント:

  1. いろんな情報が溢れる中で、それで満たされた錯覚に陥っている日々を暮らしているのかもしれません。
    本当に必要なものは人の内にある優しい気持ち。
    お母様に優しい言葉をかけられた妹さん、
    それに偽りない気持ちを伝えたお母様。
    ものや情報も少なかった時代を生きてきたお母様だからこそ、苦労の分だけ優しい心をお持ちになられたのかもしれませんね。

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  2. leoさん、いつもコメント有難うございます。
    本当にそうですね。苦労したのはきっと母だけではなかったと思うのですが、感謝の心を忘れていた私を古いアルバムが教えてくれました。
    豊かな時代、忘れてしまいがちな優しさをleoさんのコメントでまた思い出すことが出来ました。
    有難うございました。

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