2008年12月29日月曜日

年末


年末の事務所は電話の音、キーボードの音に混じって
印刷機の音がひひときわ高く響きます。

毎年この時期、忙しく動いているのは年賀状の宛名印刷。

30年前、名前も知れていなかったリミットが
いかにお客様の目にとめてもらえるか、
いかに記憶に残してもらえるか、
そして何よりも、お得意先の繁栄と末永いお取引を・・・
そんな、リミットの思いを年賀状に託しました。

社長(現会長)は、元日の朝、出雲大社に初詣
巫女の舞う神殿に、宛名だけが印刷された年賀状をお供えしお払いを受けたのです。

皆様の繁栄と健康を願って引いたおみくじは、その年の初仕事になりました。

やがて、皆様のお手元に届く年賀状、
来年は世代が変わり新社長から、初めてのメッセージが届きます。

積もった雪道を、ハンドルを必死に握り締め
明日の繁栄を願って通った山陰への雪道は、朝日が輝いていた事でしょう。

「今年も無事出雲大社への初詣がかないました。」

会長の思いは、次世代へと受け継がれていくのです。



●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
ある雑誌に、こんな言葉が載っていました。
お正月のしめ飾りや鏡餅のお飾りに欠かせない「橙」 。夏の初めに白い花が咲き秋には緑色の実を結び、冬になると橙色に熟します。
この実を採らずにそのままにしておくと木から落ちることなく、二~三年は枝についています。そればかりでなく、橙色だった実は翌年また緑色に戻るのです。
そして今年の新しい実、二年前の実、三年前の実 世代の違う実が一本の木に同時に熟す事から、「代々」と呼ばれたのだそうです。






2008年12月22日月曜日

20年前



 それは、20年前のことでした。

新幹線の中、隣に乗り合わせた男性は英語で書かれた新聞を読まれていました。

世間話をしながら話してくださった言葉は、とても衝撃的でした。

「後20年もしたら世界の自動車メーカーは、3社か4社になるだろう。」

なぜそうなるのか、その時に聞いた言葉は今思い出せません。

でも、何年も前から世界の車の需要が減る事は、皆が予測されていた事でした。



作り出してしまった大量のものたちは、何処に行くのでしょう。



私たちは、物を作り出すのが仕事です。

一人でも多くの人達に、買って貰いたいと思います。

少量より大量に生産する事でコストを抑え、人件費の安い地域で生産して

価格を下げてきました。

町に大量のものが溢れ、人々はとても豊かに見えました。

物の豊かさは、心の豊かさと思っていました。



私たちは、物を生み出すのが仕事です。

これから、私たちが見つめるべき豊かさは何なのでしょう。

何を、生み出していけばよいのでしょう。

その答え探しの旅に、皆で出掛けませんか。






2008年12月15日月曜日

鉢巻をした白菜君


 遅植えの白菜は
 なかなか巻いてくれません。

 霜が降り、寒さがやってくる前に
 口をふさいでやりました。

 いやいやする葉っぱ達
 一枚一枚寄せ集め、ひもを丸めて
 くくります。

 それでも、力を振り絞り、先のほうだけ
 イチジクさん。

 鉢巻を二つも巻いた白菜君。
 夕日に照らされた白菜君。

 葉っぱの中での密談は
 明日の政治の事でしょうか。


●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
親孝行な貴方は、誰もが持っていない暖かい石を持っているのですね。誰にでも、自慢できる宝です。



2008年12月8日月曜日

窓の景色


 窓の景色は変わります。
秋から冬へ変わります。

それは皆、知っている事でした。
分かっているはずでした。
忘れていた訳ではないのです。

それでも、あわてて繕い物をはじめます。
薪を集めに走ります。

集めた薪を燃やしながら、やがて来る春を待つのです。
いつもと変わらない春がやってくるまで、頑張ろう・・・・。

窓の景色は変わります。
秋から、冬へではないのです。

私たちが作ったものから、私たちが作るものへ
窓の景色は変わります。



●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
親孝行な貴方は、誰もが持っていない光り輝く石を持っているのですね。うつむいた顔を上げ、太陽に自慢してください。



2008年12月1日月曜日

山口県


 「私はね、山口県 萩の生まれでございます。」

そろえた指先は、テーブルにおいたティッシュを一筋一筋丁寧に伸ばしていきます。

「何でも、大切にしなさい。お母様から教わりました。」
「私はね、山口県 萩の生まれでございます。どうぞ、宜しくお願いいたします。」

同じ事の繰り返しの中に、会話にならない会話が続きます。

ここは、認知症の方の病院です。
知人を訪ねた私たちに、お話をされるお年寄りの記憶は何年前の今なのでしょうか。

「母はね、こう申しました。どんな時にも感謝の心を忘れてはけません。
その言いつけを守ってまいりました。」

仏様のような笑顔でお話されるご婦人の目から、涙が零れ落ちました。



「どうしてこんな事になってしまったかねー」 と知人、

「有難うございます。有難うございます。」 萩の人


会話にならないお二人は、遠い記憶の中におられるのでしょうか。
過去の日が、今日の日に重なっているのでしょうか。


●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
親孝行な貴方は、誰もが持っていない光り輝く石を持っているのですね。暖かくつつむ石なのですね。