小さな列車は走ります。
ただ、ひたすら走ります。
小さな振動を大きな振動にかえて走ります。
次々に変わっていく景色に、窓の枠をかえながら走ります。
回りの声も聞こえません。
過ぎ去って行く人達が手を振っています。
隣を走る列車が呼びかけます。
それでも、ひたすら走ります。
冷たい鉄の塊です。
やさしさのない塊です。
走り続ける列車は誰を乗せているのでしょう。
よくよく、見てください。
冷たい鉄の中は、春の息吹が漂っています。
やさしさのない塊は、鎧です。
お客様を、まもる鎧です。
だってほら、皆が乗っているリミット号。
誰でも乗れるリミット号です。
行き先は、季節です。めぐり来る季節です。
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
大きな大きな石がありました。何千年、何万年生きているのでしょう。そーと耳をあててみました。海の音が聞こえます。風のささやきが聞こえます。深いふかーいずーと深い、シーンと静まり返ったおとでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿