母との「思いで」の中には洋服に関係している事がたくさんあります。
ウエストをゴムで絞ったギャザースカートは、ピンク地に紫色のカトレアの花が高貴な印象で私のお気に入りでした。
そのスカートは実は近所のお姉さんのお下がりでした。
いただいた時に何かに引っ掛けて破かれたのでしょうか、まだそんなに着古してはないのに裾から斜めに少し避けて破れていました。
母はそんな破れた所に同じような色の生地を当てて上手に修繕してくれていました。
そのつくろった後が一枚の花びらのように見えて、裾がひらひらゆれるたびに花びらも一緒に舞ってくれるのです。
なぜか私はそれを友達に見せびらかしたくて、好んでそのスカートをはいていたように思います。
ひょっとしたら、母から見れば何もつくろった物を着なくても、と思っていたかもしれません。
小さな農家で、朝から晩まで働きづめの母親はいつも厳しい顔で優しい言葉をかけてくれた事が有りませんでした。
今、振り返ってみると、私は母の繕ってくれたそのスカートに、母の優しさを感じていたのかもしれません。
一人、一人の思いや心は、知らない間に、事に物に伝わっていきます。
「次工程はお客様」
そんな思いを忘れないで一針、一針に思いをつなげて行きたいと思います。
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
どうしても好きになれない。なんだかいやだなーて思う人がいたら試してください。 胸に手を当て○○さんだーい好きと叫ぶのです。 その時、その人の笑顔が浮んだらもう大丈夫。
いつも、心温まる記事を書かれていらっしゃいますね。「次工程はお客様」とは素敵な言葉だと思います。そんな言葉を工場に掲げている会社の従業員は皆さん前向きで素晴らしい人達ばかりなのだと思います。
返信削除生きるさん、有難うございます。
返信削除言葉が品格をつくると習いました。
きっと積み重ねられてきた言葉は、会社の風土・文化になっていると思うのです。