裁縫とは生地をカットし縫い合わすと書きます。
幼いころの思い出に、母の縫ってくれたスカートがあります。
特別なスカートのパターンがあった訳でもありません。
当時のデザインブックを参考に、母なりに考えたデザインだったのでしょうか。
つりベルトのついたギャザースカートは緑色のチェック柄だったのを、今でもはっきり覚えています。
そんなお裁縫をしている母の姿は、どこか誇らしげでした。
生地を選び、裁ち合わせ、縫っていく中で母の脳裏に浮んだのは、娘の喜ぶ笑顔だったのでしょう。
最後に穴を開けてボタンをつければ終わるという日、母は肝臓で入院してしまいました。
私はお母さんが退院する日が待ちきれず、妹と二人ベルトをリボン代わりにしてスカートをはいていたのを思い出します。
現在のアパレルメーカーは、効率を考え能率よく仕事が進むように、それぞれの工程が分業化されてきました。
「こんな人に着ていただきたい」「こんな人に喜んでもらいたい」デザイナーさんの思いが最終工程まで伝わっているでしょうか。
母の思いにも似たその心をみんなで共有しているでしょうか。
工場では、生地を裁断する人、芯を貼る人、ポケットを作る人、袖を作る人などいろいろな工程に分かれて一着、一着の製品が縫いあがっていきます。
「次工程はお客さま」
工場の壁に貼ってあるこの言葉は、リミットの物つくりの根幹なのです。
張り紙は年数を経て、少し茶色に変色しています。
でも、どんなに時代が変わっても、人が変わっても守らなければならない心なのです。
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
どうしても好きになれない。なんだかいやだなーて思う人がいたら試してください。胸に手を当て○○さんだーい好きと叫ぶのです。なぜだか、愛おしくて涙が出そうになるのです。
最初に入社した会社では「品質は工程内で作りこめ」と書かれていました。
返信削除「次工程はお客様」っていい言葉ですね。
生きるさん、いつも有難うございます。
返信削除皆がそんな気持ちで作った商品って、きっと着て下さる方は「笑顔」だと思うのです。