室内管弦楽の演奏会が開かれました。
20人ほどの小さな演奏会でした。
プログラムに書かれていたのは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトの
「デイヴェルテイメント 17番 ニ長調 KV.334より」
拍手がなり終わるとヴァイオリンが走るように音色を奏でだしました。
ホルンやヴィオラがヴァイオリンの後をいそがしく追いかけていきます。
目を閉じるとさまざまな光景が、現れては消えていきました。
白い大理石の大広間で着飾った淑男淑女が、流れるように踊っています。
その輪はくるくる回りながら、右に左に大きく揺れています。
おおきな広間は、流れるようにまわる人達でいっぱいです。
やがて一面エメラルド色の光がたちこめ、きらきら輝き始めました。
くるくる回りながら光り輝く石はわれ、さらに細かく細かくなった粒子はいっそう光を放ちながら、夜空いっぱいになるのです。
緑一面の草原を一人の乙女が踊りながら山をぬけ空を走り、やがて宇宙へと広がっていきます。
ヴァイオリンはいつの間にかヴィオラやチェロ、ホルン、コントラバスと一体となっていました。
大拍手の中、音楽とは無縁の私は初めての感動に胸が熱くなりました。
一つ一つ音色の違った楽器たちがそれぞれの個性を奏でながら、それでいて一体となっていく様子はよく企業にたとえられます。
一人ひとり、顔も違えば個性も違う私たち。
どうしたら次の人が仕事がしやすくなるかしら、
どのようにしたらお客様に喜んでいただけるのかしら、と皆いつも考えます。
それでも、一人ひとり、個性があるように答えも、考え方も違っています。
でも、だから、新しいものが生まれるのです。
みんな、力を振り絞り自分の意見を納得いくまで伝えようとするのです。
だから、今日に甘んじてはいないのです。
●・・・ 今月の室長の言葉 ・・・●
腰に手を当て背筋を伸ばし頭を首の上にまっすぐ置いてみました。なんだか、いつもより自分が大きくなった気がしました。