2013年5月28日火曜日
年輪
従兄弟が会いにくるからと、介助を頼まれました。
病院のベットに座られた表情はとても柔らかです。
補助器具を押しながら自力で歩かれる姿は、三ヶ月前にはとても想像できませんでした。
荷物を整えている間も自分でどんどん移動されます。
エレベーターのボタンも、自分でサッサと押されます。
「変らないね」 主人と苦笑いします。
「人は樹といっしょ、年齢を重ねるごとに熟して行かなければいけない。
台風に会うこともあるでしょう、日照り続きの日もあるかもしれない
刻まれた年輪はその人にしかわからない。
でも、どんな事があっても人は熟して行かなければいけない。
ただ、淡々と熟していかなければいけない」
尊敬する気功の先生から聞いた言葉です。
病魔と闘い、人生と闘い、自分と闘い
闘いと思ったのは、刻む年輪だったのでしょうか。
その立ち姿は飄々として、すべてを受け入れた姿です。
2013年5月20日月曜日
雨
雨の中、きゅうりを植える為の垣根を作りました。
昨日は土曜日、いいお天気だったのに、
ゴルフ日和で上機嫌だった主人
今日は絶対済ませておかなければ、と独り言。
朝から降り出した雨、だんだん雨足は強くなっていきます。
斜めに開いた棒を立て、補強のくいを打っていきます。
大雨にならないうちに終わらせなければ、
びしょぬれの帽子からしずくが落ちてきました。
納期物を抱えた月曜日
いつもとミシンの音が違います。
工場は、毎日毎日が勝負です。
今日の遅れを,明日取り戻す事はできません。
何度も何度も聞いてきた言葉です。
ついに、壁に張り出された言葉です。
びしょぬれの帽子、
プレッシャーをかけるのは自分自身でしかなかったのです。
2013年5月13日月曜日
平成の大遷宮
5月10日 60年に一度行われる出雲大社
平成の大遷宮「本殿遷座祭」にお参りしました。
心配していた雨も上がり、
本殿を囲んだ垣根の内外は正装した人達でいっぱいです。
息を潜め、お祭りを見守る人達の頭上に大きな松が
覆いかぶさるように身体をくねらせています。
やがて松が黒い龍に変わる頃、垣根の間に白い絹垣で覆われた
ご神体は、さわさわとすすり抜けていきました。
やがてライトが消されると当たりは突如暗闇です。
どどうのように響いてきた 「幽冥(かくりよ)の・・」
お腹から、何かがこみ上げてきます。
受けついでいく幸せ
受けつがれていく幸せ
神事が終わったとたんに降り出した大雨は
すべてを清め、きよめ流れていきました。
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