2012年5月28日月曜日



 苦しまないで下さい。
悲しまないで下さい。
いつの間にか作ってしまった善人の壁に
苦しまないで下さい。

人は皆同じです。
自分の都合で生きてきた人生
誰もそんなに大きな違いはないのです。

そんなもんだと悟った時
乗り越えられる壁があることを

もともとなかった壁だから
思い込みで作った壁だから

「60歳をすぎたら
顔美人より声美人ですよ」

かける声の大切さを
また教えてもらうのです。

2012年5月21日月曜日

お任せ


 いつもなら冷たい指先
触ると悲鳴をあげられていた右手も
今日はなんだか様子が違います。
強張っていた右肩もいつもより柔らかいのです。

強張った肩から
枯れ枝のような腕
腫れ上がった右手
少しずつ少しずつ指すってみました。

「あれ、手が少し動く」

冷たかった指先もホカホカ温かです。

いつもと変らないマッサージ。

でも、初めて痛いのを我慢して受けられた病院のリハビリー
変ったのは
お任せの心です。

2012年5月14日月曜日

温室みかん


 蒲郡の温室みかん農家が、テレビで紹介されていました。

木につける実の数、成長過程にあわせた絶妙な温度管理、水やりの時間、量
細かく管理された蒲郡のみかん。
甘くて美味しいみかんは、一般の路地みかんよりも二ヶ月も早く出荷されるのだそうです。

昭和40年代、みかんの価格大暴落で全国のみかん農家が栽培を止めて行きました。
そんな中、先祖から受け継いだみかん作り、「止めるわけにはいかない」
危機をチャンスに変えたのは、地域ぐるみで取り組んだハウス栽培だったのです。

取材に行った俳優さんは
「みかんを厳しく管理して育てていらっしゃいますが、本当にみかんを信頼しているし、
みかんが好きという思いが伝わってきました。
みかんと生産者の人の間には、信頼関係があるかのようです」

信頼されたみかんは、信じたとおりのみかんになろうと努力しているのでしょうか。
人もまた信頼された時、必死で信頼に応えようと努力が始まるのでしょうか。

出来ていないことを不満に思う前に
まず信じてみよう。
その為にすべき事を忘れているのでは・・・。

甘くて美味しいみかんは、厳しい自己管理の中で培われていたのです。

2012年5月7日月曜日

高野山


宿坊の朝は、爽やかな小鳥のさえずりで明けました。
深い霧に覆われた奥の院は、
やがて、しとしとと降る雨の中にありました。

弘法大師が開いた聖地高野山、立ち並ぶ大杉の間に
沢山のお墓や供養塔がありました。

人は限りある命を生きています。
でも、両親から受け継いだ命、
両親はそのまた両親から
そう考えると
今この命は、
遠いはるか彼方の祖先から
脈々と受け継がれてきた命

今ここに私たちは限りある命を
永遠に生きている

こうしていただいている命があることが
生かされている命があることが
どんなに有難いか
どんなに幸せであるか

ふと気がつくと、
先日聞いた、お葬式での説法を思い出しながら
奥の院の石段を一段、一段登っていました。