2011年7月25日月曜日

掃除


 やせ細り、目がくぼみ精気のない顔の妹がそこにいました。
主人、義母を相次いでなくした妹は、一人子の姪と二人暮らしでした。
いつも二人寄り添って生活していました。
姉達の、助言は耳に入りません。

そんな妹家族が、相次いで入院したのです。

暮らす人がいなくなった家を、掃除に行きました。

いつの間にか溜まってしまったレシートやお知らせの封書
十年以上昔の領収書も整理されないまま
机の中や棚の上に置かれています。

ほこりをかぶった書類や備品を分類しました
動かされた事のない家具たちを引っ張り出しました。
隅にはホコリが固まって絨毯のようになっています

テレビやパソコン氾濫するコードを分類します。
カーテンをはずしサッシの汚れを落とします。

開け放された窓からさわやかな空気が、流れ始めました。

一時帰宅を許された妹は、すがすがしい空気を吸いながら
感謝の言葉を伝えてくれました。

頑なになった心に、優しい風邪がふきました。新しい風がふきました。

知らない間に 汚れと一緒にはびこってしまう邪気は
知らない間に 人の心まで頑なにしていたのです。







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