2010年8月2日月曜日

ミシン音


 小さな工場は一日にかかる品番数は時によっては5品番以上
さらにロット枚数は10枚以下、
1品番、1枚のサンプル縫いもこなす生産工場

何とか出来上がり枚数を増やさなくては
ストップオッチ片手に
皆を追い込んだのは一ヶ月前

確かにみんなの動きに変化が出始めました。
でも、心まではつかめません。

毎日、納期に追いかけられながらの生産は
残業、土曜日出勤
それでも生産は追いつきません。

今週はついに工場に入って、見えない針とにらめっこです。

「室長、糸が違っていますよ」
そばで縫っていた若手社員に声をかけられます。

「そのパーツは裏において重ねた方が次の工程が楽ですよ」
今度はもう一人の若手社員

「有難う」
返す笑顔に、ミシンの音も上がります。

アイロンから出てくる 蒸気の音
後から追いかけてくる バキュームの音
ガッシャと跳ねる、穴かがりの機械音

工場は、いろいろな音が気持ちよく響きます。

オーケストラのような工場は
タイムを数秒縮める努力より
一緒に学ぶ大切さを、教えてくれるのです。

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