2010年7月26日月曜日

くじけないで


 今、ベストセラーになっている詩人柴田とよさんの取材をテレビで見ました。

優しいまなざし、きりっとした口元
ぴんと伸ばした後姿からは、とうてい99歳には見えません。

苦しいとき悲しいとき元気をもらったという読者の方が
どんどん増えているそうです。

「くじけないで」

ねえ、不幸だなんて
溜息をつかないで

陽射しやそよ風は
えこひいきしない

夢は平等にみられるのよ

私辛いことがあったけど
生きていてよかった

あなたもくじけないで


90年、生き抜いてこられた強さは
背中を、ぐんと前に押してくれるのです。









2010年7月20日火曜日

哺乳類


NHKで、哺乳類が人間にいたるまでどのようにして進化を遂げてきたのか
を放送されていました。

直径10キロの隕石衝突、それまで1億5000万年も君臨していた恐竜が一掃されました。
番組ではその後を生き延びた生物の戦いの物語が紹介されていました。

大陸移動の偶然に左右されていく地上の生き物達、
さまざまな地殻変化の中で爬虫類や鳥類たちは、地上に君臨すべく
さまざまに変化していきます。

立ちはだかる巨鳥や巨大ワニとの戦いののち
小型のままであった哺乳類はいつも負け組みでした。

小動物だった哺乳類が、なぜ進化を遂げてきたのか。
それは弱者だったがゆえに、厳しい環境におかれていたがゆえに
なしえた事だと番組は語っていました。

巨大な敵と戦うために、たえず工夫が必要だった。
そこに脳の発達の糸口があったと・・。

何万年もの歴史を経て、受け継がれてきたDNA

私たち人類は、工夫し努力していくのが命の源なのだと知りました。

2010年7月12日月曜日

相撲


昨日、野球賭博問題で大きく揺れた大相撲名古屋場所が初日を迎えました。
テレビ放映のない自粛した相撲業界

流れていく歴史の中で どよんだ空気に小さな風穴があきました。

確かに変えていくのは大変です。
変わっていくのは、もっともっと大変です。

でも、すべてを周りのせいにしていたら何も変わらない。

長い歴史を持つ国技

私たちから見ればとてつもない大きな組織です。

でも、どんな大きな力も、一つ一つを紐解いていったら
最後は個に行き着くように思うのです。

今、目の前にある事実

一つ一つを紐解いて、一つの線で結んだら見えてきたものがあります。
それは、自分が結んだこぶでした。
自分が歪めたねじれでした。

真っ直ぐなものを、ゆがんでみていた心です。

「33連勝より、いい相撲取りきった」

初日、圧勝した横綱白鳳の言葉です。

2010年7月5日月曜日

工場


 8枚の束
二つに折った後ろ身頃は、一枚だけ伸ばしてアイロン台の上に載っています。
定規で寸法を決めた折代を、すべるようにアイロンが動きます。
1mmの違いもなく折られた裾はまた二つに折られた元の位置に返します。

流れるように手の中で動いていくパーツたち
同じことの繰り返しの中で、競うのは昨日の自分です。

ライン縫製は、細かく分散された工程を一人ひとりを専門化することで
追いかけていくラインです。
追いかけられるのは前工程、自然にスピードが上がります。

でもリミットの生産は多品種、極少ロット、ライン縫製が組めません。

流れていくパーツたち、

昨日よりやさしさを
昨日より厳しさを

競っているのは昨日の自分。
追いかけているのは明日です。

磨きぬかれた工場は
やがて、研ぎ澄まされていくのです。