2010年2月22日月曜日

還暦


 あこがれていた赤いバラの花束
白いケーキ
六本の太いろうそく 
たくさんのプレゼント
主人、子供たちの笑顔

そして、孫のやすらかな寝顔。

多くの幸せに囲まれてろうそくの火を消しました。

初めて聞いた ハッピィバースデイの歌。

なんだかおしりが落ち着きません。

いただいたプレゼントを開けながら

みんな知っていてくれたんだな
みんなわかっていてくれたんだな

今日を迎える私のために
整えてくれたお祝いの一つ一つに

振り返った景色はピンク色に染まりました。


歩んできた60年、
黒かった景色も
灰色だった景色も
ピンク一色になりました。

そして、今日から生まれ変わった私です。
今日から、振り返らない昨日です。

2010年2月15日月曜日

出荷式


 カタログの出荷式を行いました。

スタートは15年前、
通信販売のリミットは営業という部署がありません。

リミットの思い、考えをカタログに盛り込みました。

そんなカタログは営業マンの代わりです。

お客様の顔が見えないから
お客様とお話しすることができないから、

どうか、リミットの服を着て働いてくださる皆様が幸せでありますように
心豊かでありますように

そんな思いを込めての出荷式は時代の証言者です。

働く場所はいくらでもあった時代から
働く場所も
働く会社も
ままならない時代になりました。

着ていただけるお客様があることに
着て下さるお客様がいらっしゃることに

感謝の思いを忘れてはいけないと思うのです。

2010年2月8日月曜日

福州


福州の空港に着きました。
辺りはもうすっかり暮れています。

照明に照らされた高速道路をぬけても広い道路はどこまでも続きます。
暗がりに次々と飛び込んでくる広告はテレビニュースでみる中国の映像と同じです。

福州の街には、車があふれ駐車場は込み合い、人がごった返し街中活気にあふれています。

工場のノウハウなど何も無い若い社長と、福州の総経理、土地を探し建物を修復しました。

わからないことばかり、すべてが初めての経験です。
何もかもが、つまづきの連続です。
でも、一つ一つ乗り越えるたびにそれは経験を越えたノウハウになっていきました。


そして、明日からよいよ機械の設置です。

ミシンの組み立て
日本からやってきたベテランのミシン修理の社員も組み立ては初めてです。

いろいろな場面問題点を想像し、道具もそろえてもってきました。
同行した若い社員は未知への挑戦です。

一週間後、彼はどんな経験をし、どんな壁にぶつかり、どんなノウハウを身に着けるのでしょう。

福州の夜は、一気に黒い塊になりました。

何も無いからこそ蓄えられる大きな袋は、大きな口をあけて待っているのです。



2010年2月1日月曜日

響き

 
NHKのドキメンタリー番組を見ました。

今急増している無縁死
過去普通の生活をし
普通に暮らしていた人がなくなりました。
でも、発見されたのは一ヵ月後

一人暮らしのお年寄りの孤独死が、社会問題になりました。

でも、無縁死は誰にも見取られず亡くなって、その人の遺骨を受け取る人がいません。

子供が無く、兄弟も高齢、自然に世間との縁も薄れていきます。

番組で紹介された56歳の男性 、
留守電にはお姉さんの、「元気にしている」 の言葉が残っていました。

人が二人になると、そこには一人では考えなくてもよかった事が頭をもたげてきます。
でもそんな心の葛藤を乗り越えて、人は家族となって行きます。

あんな事言わない方がよかったのでは、
いやな思いをさせたのでは
逆に腹を立てる事もあるかもしれません。

家族が多くなれば心配事も悩みも
多くなる分増えていきます。

でも、そんな中から自然に生まれてくるのが絆です。

私たちは一人でも不自由の無い生活の中に、忘れてきたものがあったのでしょうか。

今日は日曜日
表から、子供達が遊ぶ声が聞こえてきます。
二階では、孫の泣き声が近所中に響きます。

いつまでも失いたくない響きです。