2012年8月27日月曜日

お別れ

 
 28年間、リミットを支えてくださった古参の社員さんが退職されました。
創業以来、初めての定年退職者です。

玄関のドアを開けると応接間を改造した事務所に、わずか五人の小さな会社。
隣の部屋では子供達の遊ぶ声が響きます。
会長は玄関に背を向けて一生懸命パソコンとにらめっこです。

入社は、本格的に通信販売に業態転換の過渡期でした。
やがて、福山市に新築した日本生命ビルに入居
広い事務所に会長と二人。

その仕事は
会長の夢を聞くことでした。

小さな会社で、大きな仕事
それは、コンピューターを駆使した「喋らない商売」システム

納期を守らないから、断りを言わなければならない
品質が悪いから、断りを言わなければならない
うれないから、買ってくださいと言わなくてはならない

「入金していただかないと、コンピューターが動きません。」

沢山の名言の影に、時代を生きた彼女の存在は
リミットの母体を支えて行ったのです。







2012年8月21日火曜日

 朝、玄関のドアを開けると一斉に響いていたセミの声が聞こえなくなりました。
あれから一ヶ月、あっという間に夏はもう秋の準備に入っていました。

なんだか身体が思うように動かないな
お腹がなんだかおかしいな

小さな穴を開けての手術は、あっという間に終わり
天井をみつめた生活もほんの数日
「一週間もすれば元の生活に戻れますよ」

確かに痛みは、徐々に和らいでいきました

でも、かすれて声が出せません
指に、手に、力が入りません。

何もかも当たり前と思っていたことが、そうでは有りませんでした。
身体の小さな動きにも
どれだけ多くの私が、働いていてくれるのでしょう。

玄関のドアが重いなあー
忘れないように、
夕方、秋の虫たちの優しい声が聞こえます。