2012年1月30日月曜日

ロボット


 「すごーい」
研修で見学した三菱自動車の水島工場、帰ってきた主人の第一声です。

組み立てラインの中で作業するロボットは一本の手を巧みに使い
細かい隙間へボルト、ねじを組み込みます。
一秒の狂いもなく、次の工程に流れていくのです。

ロボットから受け継がれた次の工程は人の手
人の手からロボットへ、流れるように、しなやかに
整備された工場が目に浮かびます。

時間との勝負、無駄口はいえません
トイレにも行けません

確実に自動車は数秒の狂いもなく、最高の品質のものが
組み立てられていくのです。

人は人としての知能を持ちながら
ロボットと同じタイムで管理されているように見えます。

機械の一部になってしまっているかのような人の手
達成感は何処にあるのでしょう。

それは、一人ひとりの研ぎ澄まされた心にあるのでは、

一人ひとり、自分の仕事に必死に取り組んだとき
言葉はいらなくなります。

立ち向かうのは自分の心、
研ぎ澄まされた心は、研ぎ澄まされた商品を生むのです。





2012年1月23日月曜日

二度染め


 二度染めした生地
しなやかで優しいタッチは、期待通りの仕上がりです。

大好きなスタンドカラー、何でも入る大きなポケット
ウエストまである長いスリット、
年齢と共に落ちていく肩を 姿勢よく見せる肩章と
思いをいっぱい詰めこんだサンプルが縫いあがりました。

全体的には思い通り、

でも、きりっと光るものがない
ちょっと袖を通して見たいな
ちょっと羽織ってみたいな
そんな、くすぐるものがない

思い切って知り合いをたずねてみました。
近い年齢の人たち
あっという間にデザイナーです。

見つけました、見つけました
きりっと光る一言を
素朴な素朴な疑問です。

また今夜も寝られません。


2012年1月16日月曜日

明り


 真っ暗だった暗闇にかすかな明かりが見えました。

仕事と戦い、人と戦い、自分と戦い
戦い続けた人生は緊張の連続です
いつも肩に力が入ります。

肩の力を抜いて一本の木になりなさい
風がふけば、ゆらり、ゆらりとゆれるのです

根っこを踏ん張り、負けないぞ、
風と戦ってはいないのです。
まけたら根っこから倒れてしまいます。

風にあわせてゆれる木は
やがて風が収まれば
また飄々とたつのです。

広がる台地のその中で一本の木になりなさい。
人もまた自然の生き物
太陽の豊かな恵みが降りそそぎます。

あるがままを受け入れた時
小さな明かりがともります。

私の命を救ってくれた教えです。

2012年1月10日火曜日

山の汁


 土曜日の朝、テレビで沖縄の久米島が紹介されていました。
豊かな自然、大地に降り注ぐ雨は豊かな湧き水となって
人々の生活に溶け込んでいました。

人々はこの水を
「山の汁」とよぶそうです。

生い茂った樹木
その根をしっかり抱える大地
大地から絞り出た汁は
豊かな自然をささえます。

今年も社長の年頭の挨拶と共に 新しい年が始まりました。
私たちは働く人たちに喜びと感動を与えるユニホームを作りたい
作り続けたい、それを使命としたい。

生い茂った樹木
その根をささえる大地

大地から絞り出たしるは
心の汗です、ちの汗です。