2011年6月27日月曜日

首回し


 首をゆっくり縦にまわしました。

頭はまっすぐ宙を仰ぎ
あごを前に突き出し
ゆっくり、ゆっくり
前から後ろに引いていきました。

腰が緩み、肩の力がぬけていきます。

頭は天に向かい
あごを後ろに引き
ゆっくりゆっくり
後ろから、前に回します。

背骨が緩み、整ったきがしました。
その上に首が座ります。

人は、立って歩いています。

自然に立つ中に
健康の源があるのだそうです。

そして、今日も自分に言い聞かすのです。

「やさしく、しなやかに ていねいに」






2011年6月20日月曜日

人参


 子供の頃にかいたやさしいにおいが恋しくて
春まだ遠い二月、人参の種を、まきました。

風と共に飛んでいってしまいそうな
土の中で埋もれてしまいそうな
ひ弱なひ弱な人参です。

細かく耕した土の上に浅い溝を作り
人参の種をまきました。

その上にぬれた新聞紙を、かぶせました

一週間、二週間、そっと新聞をめくって
芽の出具合を観察します。
勢いよく出揃ったのは三週間目
乾ききった新聞を取り除き
寒さよけのネットをかけました。

「もうネットを取ったほうがいいよ」と主人

「まだ寒いから・・」

太陽の光を浴びなかった人参は、
葉っぱばかりが大きくなりました。

もっと柔らかいはずだったに人参は
なぜか頑なです。頑固です。





2011年6月13日月曜日

武者修行


 大雨の降る中、熊本城に行きました。

反り返った石垣は、武者返しと呼ばれていました。

坂道を登ってバスは駐車場につきました。
ガイドさんの差し出してくださった傘を差し
ふきつける雨にぬれながらやっと大手門につきました。

雨はいっそう激しく風も吹いています。

大手門の前に広場があります。
そこを通らないとお城には入れません。

いっそうひどくなる雨脚、

一緒に門の下で雨を避けていた4人連れ
傘を差して雨の中を広場に向って行こうとした時
革靴は水に浸かってしまいました。


広場に入るには、たっまってしまった水の中を歩いて渡らなくてはいけません。

すぐ前にお城は見えているのに・・・

小さなお堀に やむなく引き返した現代人の私たち、
今、武者修行中なのです。


2011年6月6日月曜日

青年


 古い友達が、ショップをしているから行ってみようよ

そんな主人の言葉に誘われて尋ねたのは

静かに流れる芦田川の道沿いに建つ、ジーンズ工房

いろいろなテレビ番組でも紹介された工房は
社長の思いの詰まった商品がいっぱいです。

自ら着用

「自分が履きやすい、動きやすい、使い易いもの
小さな事にこだわって改良を重ねてきたんだよ」

だから、このズボンは僕のために作ったんだ。

「えっ」と驚く価格の商品は
通販でも人気の商品です

「ズボンはデザインも大事、でも機能はもっと大事」

愛くるしい丸いめがねのおくに
白くなった髭を、さすりながら

昔のままの青年が、そこにいました。